読んでいていらいらさせられる物語である。だいたい、主役のスーザンがいやらしい。淑女のように見せ掛けて、実は淫乱としかいいようがない。その上、傲慢である。私が復讐の虚しさ、愛の素晴らしさを教えてあげる、とでもいうような態度。対するコ－ドもいやな性格で魅力に乏しく、なんだかぼんやりとした印象しかない。プレストンは優しいふりして無責任、その母親も自分勝手で、いやなやつらばっかりである。登場人物に感情移入がまったくできず、不快になるほどであった。ちょっとなー、まったくの期待はずれ。最後はお決まりのハッピーエンドだけど勝手にやってれば、という感じ。

復讐を誓う男と名家のレディとの恋愛物ですが、うーん・・・。最後まで読ませるものはあるのですが、イマイチ人物の魅力がなかったかな、と思いました。ストーリーも尻切れとんぼの感もあるし。コードは最終的にどうしたかったのだろうかと疑問に思うし、スーザンはあまりに人間出来すぎててかえって魅力がなくなっているようだし。リンダだからまあいいかって感じです。

リンダ･ハワードの描くヒロインの女性の芯の強さには毎回、感動してしまいます。ストーリーの骨太さとか読み終わったあとの爽快感というか、幸福感というかうまく表現できませんが、お勧めの1冊です。