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シャーロック・ホームズの回想 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

価格: ¥800
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:アーサー・コナン・ドイル/著 日暮雅通/訳 出版社名:光文社 シリーズ名:光文社文庫 ト2-2 新訳シャーロック・ホームズ全集 発行年月:2006年04月 関連キーワード:シヤ-ロツク ホ-ムズ ノ カイソウ コウブンシヤ ブンコ ト-2-2 シンヤク シヤ-ロツク ホ-ムズ ゼンシユウ しや-ろつく ほ-むず の かいそう こうぶんしや ぶんこ と-2-2 しんやく しや-ろつく ほ-むず ぜんしゆう、 コウブンシヤ コウブンシヤ 2271 こうぶんしや こうぶんしや 2271、 コウブンシヤ コウブンシヤ 2271 こうぶんしや こうぶんしや 2271 大レースの本命馬が失踪、その調教師の死体も発見されて英国中が大騒ぎとなる「名馬シルヴァー・ブレイズ」。そのほか、ホームズが探偵になろうと決心した若き日の事件「グロリア・スコット号」、兄マイクロフトが初めて登場する「ギリシャ語通訳」、宿敵モリアーティ教授と対決する「
「冒険」より面白かった。 ★★★★☆
本書は前作の「シャーロック・ホームズの冒険」より読みやすくて面白かった。それは逆に言うと、「冒険」が推理に緻密さを求める余り事件の描写に凝り過ぎたため、読み辛かったのに対し、本書は緻密さに欠ける作品が多いということでもあるのだが。

その中で秀作として挙げるのは「ボール箱」と「黄色い顔」。とくに「ボール箱」は、従来「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」に収載されてきたものが、本来の「ストランド」誌掲載順に本書に掲載されたという点、本書の価値を高めている。

それに引き換え「海軍条約文書」は、途中に図を差し挟んで密室の様相を示唆しながら、結果は拍子抜けだった。
冒険小説的推理小説 ★★★★☆
シャーロック・ホームズシリーズの第2短編集。
ほどよく現代風の新訳が読みやすく、
ホームズの活躍する19世紀後半のイギリスへと
読者をいざなってくれます。

今回、ホームズシリーズを読み返してみて感じたことは、
意外にも推理小説につきものの「トリック」を
前面に押し出した作品が少ないということでした。
では、このシリーズの魅力は何かといいますと、
まずは興味をそそる謎の設定があること、
そしてホームズがどんどん外に出ていって、
自分の推理を裏付け、解決に導いていくという、
一種の「冒険小説」的な要素が
ふんだんに盛り込まれていることではないかと感じました。
ほとんどの作品の原題の冒頭に
「The Adventure of〜」がつけられていることも
無関係ではないでしょう。

以下に、本書収録の12編について、
簡単なコメントを記します。

【名馬シルヴァー・ブレイズ】
舞台は片田舎のダートムア。
イーデン・フィルポッツの
<赤毛のレドメイン家>と同じ舞台です。
意外な犯人の正体。

【ボール箱】
単行本化された当初、不掲載になった一品。
不倫色があったためとか。

【黄色い顔】
ホームズの迷推理を扱った作品。
結末はほのぼの。

【株式仲買店員】
高額な報酬で引き抜かれた依頼人。
犯人の意外な目的とは。

【グロリア・スコット号】
ホームズ最初の事件。後半は活劇風。

【マスグレイヴ家の儀式書】
暗号解読によるお宝発見。

【ライゲイトの大地主】
ホームズ式筆跡鑑定。

【背中の曲がった男】
なぜ背中が曲がったのか。
男の秘められた過去。

【入院患者】
謎の入院患者の秘められた正体とは。

【ギリシャ語通訳】
ホームズの兄、登場。
マイクロソフトと一字違いなんです。

【海軍条約文書】
重要機密文書の盗難事件。

【最後の事件】
宿敵モリアーティ教授登場。
でも、何だか唐突感あり。
失踪した名馬の行方は? ★★★★★

◆「名馬シルヴァー・ブレイズ」

 ▼あらすじ

  大レースの本命馬・シルヴァー・ブレイズが厩舎から居なくなり、
  その調教師であるジョン・ストレイカーが殺害された。

  前日、厩舎に現れた不審な男が容疑者として浮かび上がるのだが、現場を調べた
  ホームズは、馬主にレースへの出走登録を取り消す必要がないことだけを言い残し、
  事件を解明をすることなく、ロンドンに帰ると宣言して……。


 ▼感想

  本作では、厩舎や牧場が舞台ということで、番犬や羊といった動物が登場します。
  そして、物言わぬ彼らの行動こそが、最も事件の真相を雄弁に語っているのです。

  事件当夜の番犬の奇妙な行動、最近になって足をひきずるようになった羊たち……。

  それに加え、遺体が医療用メスを握っていたことや、その日の夕食がカレーであったこと。
  これらのヒントから、真相をたぐりよせるホームズの手際は、名探偵の面目躍如といえます。



◆「ライゲイトの大地主」

  過労により倒れたホームズが、転地療養のために訪れた土地で遭遇した事件。


  地元名士の家から盗まれた関連性のない品々、
  死体が握っていたちぎれた手紙、
  そして、忽然と姿を消した殺人犯……。

  短編でありながら、非常に謎の密度が高い作品となっています。
  病み上がりのホームズがみせる、奇矯な行動の裏にある真意に注目です。




新しい発見のある個人訳全集 ★★★★★
 ホームズが郊外での捜査の際に着用する鹿撃ち帽(ディア・ストーカー)にインヴァネスという扮装は、シドニー・パジットが『冒険』の『ボスコム谷の謎』の挿絵で描いたのがイメージとして定着したといいますが、こんな発見といいますか、シャーロッキアンにとっては初歩的な知識かもしれないけど、大部分の読者にとっては新しい知識を訳注で与えてくれるだけでも日暮訳は素晴らしい。

 この『回想』でも、ドイルが不出来なために、オリジナルの『回想』から除外した『ボール箱』が、ストランド誌の掲載順に名作『名馬シルヴァー・ブレイズ』と『黄色い顔』の間に収められています。

 これまで、例えば新潮文庫では最後の短編集『シャーロツクホームズの最後の挨拶』に収録されていましたが、新潮文庫の解説にも、なぜ、そのような形になったのかということは説明されていませんでした。
「ボール箱」も収録した『回想』 ★★★★★
 2006年1月、光文社文庫から、日暮雅通氏の個人訳による『新訳 シャーロック・ホームズ全集』の刊行が開始された。短編集5冊と長編4冊の全9冊が、各巻3カ月おきに発売され、ちょうど2年がかりで完結する予定となっている。その2回目の配本が、『シャーロック・ホームズの回想』である。
 『冒険』に続き、日暮氏の新訳文には違和感がない。例えば、最近ではテレビドラマなどの影響もあり、日本の読者には日本の読者なりの、ホームズのイメージというものが出来上がっている。この新訳のホームズは、そうしたイメージにも無理なく重ね合わすことができ、古い翻訳にありがちな「ホームズはこんな言葉遣いはしない!」といった不満を感じることもない。
 ホームズの時代の文化・常識を理解するための補助的な注釈も、変わらず添えられている。作品を深読みする研究的な注は、あえて付けられておらず、この点で、詳注と研究論文までを収録した、ちくま文庫版全集(現時点では入手困難)とは大きく異なる。しかし、訳者の日暮氏は日本有数のシャーロッキアンであり、すでに数多くの贋作やパロディの訳業を有している。従って読者は、ホームズ物語そのものを、豊富な知識に裏打ちされた訳文で楽しめるのである。
 内容について言えば『回想』は、問題作「最後の事件」を巻末に収めた、ホームズものの第2短編集であり、ホームズの若き日を描いた「グロリア・スコット号」や「マスグレイヴ家の儀式書」など、興味深い作品に富んでいる。また、発表当時にドイル自身が削除した経緯から、従来は『最後の挨拶』に収録されていた「ボール箱」が、本全集では『回想』に戻されており、これに伴う原稿の異同についても、訳者解説で説明されている。
 各巻とも巻末には、ホームズ物語に愛着を持つ著名人によるエッセイが収録されている。今回は、最近、ホームズものを翻案した「探偵講談」を披露している講談師・旭堂南湖氏である。