アメリカでいちばんホットなベストセラー、ジャネット・イヴァノヴィッチ!
ニューヨーク・タイムズ紙、ウォールストリート・ジャーナル紙、ロサンゼルス・タイムズ紙、エンターテイメント誌、パブリッシャーズ・ウイークリー誌で、それぞれ第1位を獲得
家賃の支払いに追われるやら、銃で撃たれるやら、あげくのはてに異常者に命をねらわれるやら。こんなステファニー・プラムに、母親、家族、そしてステファニーの人生に入り込んできた男たち、はたまた肉屋の店員までもが、ハラハラドキドキさせられる。まともな人間だったら、とてもじゃないがやってられない。
ところがどっこい、ジャージー娘はそんなことではへこたれない。美しくにぎやかな街、トレントンに住むステファニー・プラムは、バウンティー・ハンター(賞金稼ぎ)としては腕利きとはいえないけれど、次々とトラブルを招くことにかけては天才的。それでも、男はステファニーを放ってはおかない。この『To the Nines』で、ステファニーのいとこでボスのビニーが、不法入国者サミュエル・シンの保釈金を用立てた。ところがこの怪しげなミスター・シンが姿をくらませ、ステファニーが行方を追うことになる。シンを追って調べるうちに、想像を絶する悪事が明らかになり、やがて殺し屋の一味もかかわってきて、事態は思わぬ方向に展開する。
時間との戦いの追跡劇。ニュージャージーの有料道路からラスベガスの歓楽街へ、ステファニー・プラムが体当たりで追っかける。一度読んだら忘れられない登場人物の面々、次々繰り出すアクション、手に汗握るサスペンス、そして底抜けのおもしろさ。この『To the Nines』を読めば、ちまたの作家のなかでもジャネット・イヴァノヴィッチがピカイチだとわかるはずだ。
口語調で書かれているため読みやすいが、ちょっと言葉遣いが悪いのが気になる。お義母さまや学校の先生には内緒で読みたいって感じ。でも多分リアルなトレントンのフツウ(?)の30代の女の子ってこんな感じなんだろうか。
一見フツウのステファニーは、実は自宅のクッキージャーには38口径を隠し持ち、保釈された後法廷に現れなかった被告を警察に連行するボンド・エンフォースメント。スレているようで案外真面目で怖がりなのに、時に非常に大胆で、正義のためなら自分の危険をも顧みない。その結果いつもトラブルを招いては命の危険に晒されるが、持ち前のガッツと 2人のクールでセクシーな男友達、ジョー・モレリとレンジャー、相棒のルラの力を借りて事件を解決。だいたいの展開は予想がついていても、今度はどんなことをやらかしてくれるのかとわくわくしながら読ませる語り方は秀逸。
物語の展開、サスペンス的な要素もさることながら、ステファニーをはじめ、モレリ、レンジャー、ステファニーの家族、ルラ、ハムスターのレックスに至るまで、登場人(動)物がとても人間くさくて魅力的。特にモレリとステファニーの関係は 読んでるこっちまでステファニーと一緒にドキドキしたり、じーんときたり。そこにときどき絡んでくるミステリアスなレンジャーの存在も2人の関係に深みを持たせている。
今後もステファニーの冒険と、3人の関係は見逃せない。
その代わりに他のモノを痛めつけていますが・・・
読み終わってみると、あれれ?と言う感じです。
強烈なのはルーラの振る舞いくらいで、いつものステフシリーズ
のパンチ力が感じられません。
番外のクリスマスの短編より物足りないような・・・
ぐいぐいと引き込まれるようなストーリー運びを期待していたので
ちょっと残念です。