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招待状のないショー

価格: ¥2,200
カテゴリ: CD
ブランド: フォーライフ ミュージックエンタテイメント
Amazon.co.jpで確認
その後の陽水の音楽の方向性を打ち出した意欲的なアルバム ★★★★☆
大学生時代の当時の私に取って大きな戸惑いを与えたアルバムである。「For Life」設立直後、売り上げを期待される中で、先行シングルとして発表された「青空ひとりきり」。ファンキーで(一見)ラフな創りに、「センチメンタル」に代表される、繊細な感覚と哀感を誘う美しいメロディ・ラインを愛好していた私は、「これは違う」と感じた。多くの友人もそう言っていた。今となって考えて見ると、その後の陽水の音楽性の一方向を示したものだったが、その時は違和感だけが残った(今では「青空ひとりきり」は好きな曲の一つ)。

そして、アルバムである。「枕詞」〜「結詞」の構想は「二色の独楽」を想起させるが、他は捉え所が無かった。上記の状況で、良くこんな冒険的なアルバムが出せたと思う。以下は現時点での感想である。「夢の中へ」と似た曲調を持つ「Good, Good-Bye」は、実はそれまでの自身の音楽性への決別を意味していた。冒頭に置いてあるのは偶然ではあるまい。「招待状のないショー」は、今後の音楽性への案内状である。「氷の世界」を除くと、サウンドの創り込みと言うスタイルを採っていなかった陽水が、自身の持つ深みと厚みのある声質を活かしたサウンドを今後は展開します、宣言しているのだ。「水無月の夜」、「I氏の結婚」は共に「センチメンタル」中の曲群と同様の詩想を持ちながら、前者はファンキー・ロックに仕立て上げ、後者はトーンこそ従来のものながら、シンセサイザーの音色を活かしたアレンジが印象に残る仕上がりになっている。「もう…」は、その後の陽水の音楽の一面である、「夜と大人」を意識させる少しジャージーなラブソング。

その後の陽水の音楽の方向性を打ち出した意欲的なアルバム。しかし、同時進行で聴いていた者にとっては、その意図を捉えるのは残念ながら難しかった。ちょっと後悔。
 生涯現役! ★★★★★
 
 まあ、懐かしいったらありゃしない。
 坂道 なんて、最初は小椋の方で聴いているし、当時頂いたlp.で持ってるし、
フォークからニューミュージックへ?? そして、ロックになって
いたんですか!
 歌詞の薀蓄?の何だか面白いこと。
 陽水の写真も若いー。
 
 わたしも弾き語りしなくちゃ!
 
陽水の偉大なるミュージシャンシップを全開させた最初の作品 ★★★★★
陽水は明らかに“兄貴”の世代のシンガーだった。「断絶」も「闇夜の国から」も「氷の世界」も「二色の独楽」でさえ、銀座NOWなんかでこっそり情報が漏れてくることはあっても、AM深夜放送を聴かない小学生にとっては学生服の兄貴たちがこっそり部屋でたばこを吸いながらこそこそ聴いている、ヒミツめいた世界の音楽だったのである。

そんな私にとって、最初の同時代の陽水作品が本作で、実に思い出深く、思い入れも深い。アナログ盤のジャケットがすり切れるほど、何度も引き出しては聴きあさったものである。

そしてまた、ロンドン〜LAと蒼々たるミュージシャンを起用しながらも、フォークの枠組みに押し込められがちな前作ポリドール時代から、日本音楽史上のエポックともいえるミュージシャン自身によるレコード会社設立(フォーライフ)後、初のアルバムであり、その音楽的冒険心には30余年後の現在でさえ、鬼気迫るものがある。

そもそも、アルバム冒頭にいたってはELPのタルカスか!と突っ込みたくなるのにここまで和テイストとフュージョン・R&Bの違和感なき結合はどうだろう、す、すばらしい〜〜

あるいはその後の“リゾート陽水”の出発点もここにあり、おしゃれ陽水・ファンク陽水の萌芽はこれ以前にもあったけれど、現在の陽水への扉はここで前回になった、といいたい。もはや、四畳半は畳敷きではないのである。

にしても、私が気になっているのは、封入されていた自筆のライナーであった。
(今回購入したCDにも再現されていたが)

過去の5作でも自筆歌詞カードが定番で、かなり神経質そうな縦長細字が本来の陽水の“手”であったはずだが、本作の筆跡はごぶとく、見ていて気分が悪くなるくらいどこか病的なのだ。

内容も(もともとニヒルな語り口の人だが)これだけの野心作なのに超虚無的で、
「ただし麻雀はヤル」などと結んでいる。

相当なストレスの中で生まれた作品であることは間違いない、それだけに迫力があふれる名作である

センチメンタルではないけれど・・・ ★★★★★
陽水が「センチメンタルを美しいとは感じなくなった」とコメントした後に作ったアルバム。特有のセンチメンタリズムはなくとも、その楽曲とシュールな歌詞は陽水そのものだ。当時「サウンド志向」と呼ばれたことについて、後に彼自身は意図的ではなかったと述べている。しかし、タイトル曲「招待状のないショー」の繊細なアレンジに相当な作り込みを感じるのは私だけではあるまい。独特の艶やかなハイトーンと相まって、普遍的名曲に仕上がった。それは今、聴いても素晴らしい。
後ろをかためるミュージシャンも一流。ドラムス:村上ポンタ秀一、ベース:小原礼、後藤次利、ギター:鈴木茂、大村憲司、是方博邦、高中正義、永井充男、キーボード:矢野顕子 等々・・・
私の邦楽ベスト5の一枚 ★★★★★
『氷の世界』というベスト・セラーをすでに記録したあと、拓郎は『明日に向かって走れ』、そして陽水はこのアルバムでフォーライフ・レコードからスタート。ちょうどフォーク・ソング改め、ニュー・ミュージック到来の頃。
シングル『青空ひとりきり』に見るファンキーなロックもあるが、このアルバムの素敵な点は、曲ごとのバラエティさにある。
①オープニングのイントロではクラシック・コンサートの始まる前の音から(ヴァイオリンによる調弦の4和音を陽水の声による多重録音で模倣)、②タイトル曲でヴァイオリン・ソロなどのクラシック風アレンジを施し(この曲は『帰れない二人』とともに素晴らしい作品です)、③対照的に『Summer』『坂道』ではリズム・マシンを効果的に活用、④『I氏の結婚』では夏のリゾート気分にひたれる。
また、笛の音が秋の風情を醸し出したり、<和>の風味をうまく<洋>とブレンドさせた音楽がこの一枚で楽しめる。アコースティックとエレクトリックのバランスも素晴らしい。

この時代は、多くのプレーヤー(演奏家)がアルバムの中でそれぞれの役を演じきっていたし、ミキサーの音に対する感覚もプロフェッショナルだった(たとえデジタル時代の今でも音楽表現を創造するのは人)。つまり、音楽とは卓越した演奏を聞かせてくれることがレコード作りでは当たり前の時代だったのだと。そういう観点では、クラシック音楽もポップスも同じ土俵であった。
リアル・タイムを知る人が懐かしむよりも、新しい世代あるいは今の安あがりでCDを消耗品化させている業界に【琴線に触れる音とは?】【音楽に対する警鐘(単に売れればそれでいいの?)】このことを教えてくれる一枚。ツールだけではこのような音は決して出せないのです。