陽水の独創性を世に知らしめた「画期的」なデビュー・アルバム
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陽水の初期の四枚のアルバムはどれも傑作だと思うが、陽水としてのデビュー・アルバムである本作を一言で言えば、「画期的」であろう。それまでの日本に無かった画期的な楽曲を創ろうとの意欲がヒシヒシと伝わって来る。
タイトル作「断絶」は、高校生の頃に流行った曲で、初めて聴いた時ショックを受けた。恋する若者と親の世代との文字通りの「断絶」を歌ったものだが、歌詞の対象に応じて歌唱法とアレンジを大胆に切り変える曲構成には本当に驚いた。「人生が二度あれば」は、陽水としては珍しく自身の境遇を歌ったもの。家業の歯科医を継げなかった悔恨と父母への想いを真摯に歌って聴く者の胸を打つ。最後のすすり泣く声が...。「愛は君」は陽水らしい発想の曲で、言葉遊びの連続で、センチメンタルなラブ・ソングを構成すると言う大胆な試み。「白い船」は、陽水自身が初期の頃、「最も好き」と称した曲。「これ程演歌的な情景をニュー・ミュージック的に処理出来る自分の才能が怖い」とラジオ番組で語っていた。「感謝知らずの女」も、こうした発想で歌詞を創ると言うのは前代未聞だったろう。「限りない欲望」も当時ショックを受けた曲。50才を過ぎた現在の眼で見ると、歌詞が甘い気もするが、当時こうした発想で歌詞を書き、それを流麗かつ迫力に満ちたサウンドに乗せて歌うという試みは本当に独創的なものだった。「傘がない」は、当時の学生運動の興隆と挫折を背景に、「そんな事より大切なモノが身近にあるでしょ」と皮肉って見せた世相の切り口で評価が高く、初期の代表作と言われる。単純なラブ・ソングとも取れる工夫(フェイク)をしている点が如何にも陽水らしい。
陽水の独創性を世に知らしめた本当に「画期的」なアルバム。陽水ファンならずとも必聴の傑作アルバムと言えよう。
陽水のファーストアルバムなのにとても新鮮なんです
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小学6年生の頃に聞いていた断絶は歌詞もメロディーも衝撃的でかなり影響されていたのを思い出します
何十年ぶりに聞いてみたくなりCDを買いました
初恋の人に再会するようなドキドキ感でスピーカーから流れる音を待ちました
オルゴールから始まる・・・そのあとに透明感のある陽水の声・・・
今あらためて聞くと溢れるほどの才能はこの一枚からはっきり現れていました
全く色あせない大切な一枚です
憂鬱から始まるアルバム
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このアルバムを聴いた時、青春の憂鬱さを抱え込んでいる人という感じでした。陽水の繊細さを感じるだけでなく、青春時代には、誰もが感じる葛藤を感じていたと思います。1曲目の「あこがれ」、2曲目で「断絶」。これって、高校時代にもったことがある青春時代の二面性ですよね。「小さな手」「白い船」などは、陽水の繊細さをそのまま詩にしてしまっています。「傘がない」はお馴染みの詩ですが、陽水らしく篭ってしまう性格が、そのまま出ています。
このデビューCDは、レコードも持っていますが、陽水の生き方を象徴した1枚です。今は、大成功を収め広い分野の音楽を手がけていますが、出発はこのアルバムであり、陽水自身も、まだこのアルバムの中にいるような気がします。
限りない欲望
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「限りない欲望」という曲が入っているが,陽水の直球は怖い。誰から何を言われようとも,いうことは言う。そういう私も「限りない欲望」に駆られて陽水のCDを買ってしまう。「愛は君」という曲もはいっている。こんな歌誰にも歌えない。あまりにも恥ずかしい。でも,普通恥ずかしくて歌えないことを陽水は歌ってしまう。だから,聴いてしまう。普通じゃない。陽水は自己中心だ。そのわがままさはこのアルバムの曲全体にあふれている。でも自己中心で通すのは並の人にはできない。人に嫌われたくないからだ。こういう曲が書けて,歌えてしまう人は,いわゆる芸術家の域に足を踏み込んでいる人だと思える。だから凡人は彼の歌に引き寄せられてしまう。
陽水のデビュー作
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シンガーソングライター井上陽水の原点に位置するアルバム。いかにもフォーク調の3、5とちょいロック調の2,4が配され、アルバムA面のハイライト6が来るという非常にオーソドックスな作り。6は私の中では、陽水のフルタイムのナンバーワンソングなので、このA面はほんとうによく聞きました。昨今のいいフレーズが撮れたら、あとはそれを使いまわすような省エネ録音ではなく、フルコーラス全力で歌っているのが、いいですね。(当時はそれが当然ですが、、)アルバムB面は、フォーク曲をロック伴奏にのせた7から始まり、時代を物語る「ハト」もの、マイナーフォークの典型9、リズム隊にイコライザーをかけた(これも当時多かったパターン)ハードな10、小品11に続くB面のハイライト12(陽水といえば当時この曲でした)。社会批判系の曲が多い中、今降っている雨が問題で、君に会いに行きたいと女々しく歌う姿は、ちょっと異端な感じで、逆に力強さを感じた記憶があります。なんにしても、当時のフォークシーンに、この一枚で、見事に立ち位置を確保したという点で、彼の歴史の中でも評価できるアルバムかと思います。
リアルタイムで聴いていた僕
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レコードを誰かに貸したまま行方不明にしてしまい、どうしても順番に聴きたくて買いました。揚水ファンならみんな持っているといいですね。
陽水のスタートです。歌詞も今とは違って…
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陽水のスタートです。歌詞も今とは違ってストレートだし、時代を映しているなぁと思います。自分の青春時代を思い出します。こうして昔の音源がCD化されているのは本当にありがたいです。
陽水の原点?
★★★★☆
シンプルでストレートな、フォークの原点といった、初期の陽水が聴けます。
思ったほど音質が良くなかった。
★★★☆☆
思ったほど音質が良くなかった。