時には厳しいこともある。子どもたちが大好きだった用務員さんが解職されるという事件が起こった。復職を求めた運動が始まる。仲良く楽しいことばかりでは無いのだ。お父さんやお母さんは闘いに敗れ、お上にたてつくことの難しさも知る。だが、PTAは教師と親が子どもたちが学び育つために活動するのだ、という理念が揺るがないからこそ、時には対立も生まれるのだ。
そんな時に読んだ本だっただけに強烈だった。それも伝統的なコミュニティのある地域の話ではなく、東京湾の埋めたて地にできた全く新しいまちでの取り組みだったということに。
ここも当初は母親それも専業主婦を対象としたようなPTA運営(つまり働く人の都合を考慮しない会議の開催)であったが、会議を土曜日に開催したり、父親をひっぱりこむような仕掛けとして!飼育小屋づくりや教室を改造した図書館「ごろごろとしょしつ」づくりなどが行われることで、父親が積極的にPTAに参加している。気軽に参加できる舞台と、踊りやすい脚本を用意すればお父さんも出てくるはず、という指摘は学童行事への参加を通じて自分が感じていたことでもあった。
秋津小学校でのとりくみは秋津のまちづくりへと展開していく。学校と地域の交流・連携によって、様々なことが授業にとりいられている。学校と地域が混ざりあい解けあいような、学校と地域双方にメリットを生み出す「学社融合教育」にまで発展してきている。
こんなことが自分の地域でできるのだろうかと思いながら、まずはこの本をみんなに紹介することからはじめようかと思った次第。出会えてよかったと思える本だ。