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罪と罰

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: イースト・プレス
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偏見と事実誤認で綴られた書(語られた鼎談)。 ★☆☆☆☆
有害無益であり、読み進めるだけで虫酸が走るおもいがした。
公判廷や裁判記録に関することでもあまりに事実誤認が多すぎるし、そもそも宮崎・藤井という左から右へ転向した連中のご都合主義の定番的論法ばかりが目立つ。
被害者遺族の本村氏はきっと頭脳明晰な方だとおもう。頭は良い。鼎談中でも端々に賢明な意見も伺える。だが、事件に遭うまで少年法を知らなかったなど、きっと今の自分自身に必要とされる知識のみを習得することにはすごく頭脳がはたらくのだろう。それが、言い換えるなら「自分に都合の良い情報しか耳に入らない(受け付けない)」となる。
本村氏は日弁連が主催する死刑執行停止に対する全国公聴会の席にも単身で乗り込んだ(個人の意志で参加したかは話されていないが)という。この席でパネリストとして意見を求められているときも「自分は被害者遺族である(もっと丁重に扱われるべき)」とするような感想をもたれたようだ。
筆者は思うが、このような公的な席で発言したり意見を聞くという立場に臨むということは、皆がニュートラルな立場での考察(意見発表)を必要とされるのではないかと。
実際記者会見の席でも言いたいことを言うというような姿勢を貫いておられたようだが、さらに本書では宮崎・藤井に毒され鼎談が展開されているように思えた。
公判中は判例主義(永山事件のこと)を批判する検察官に大変勇気づけられたとも言う。また、初期の司法警察官(刑事)からも不満があるなら法律を変えるよう努力して欲しいとも言われている。
本来ならここから、犯罪を裁くとはどういうことか?という論法になるのだが、なぜか短絡的に裁判において被害者感情を訴えるという手段になってしまっている。さらに判例主義に倣っているのは検察官も同じ事で求刑ではちゃんと考慮されている。また検察官調書はありもしない事実を連ねた作文である事も差し戻し審では明らかとなっている。

裁判に民意(被害者感情)を届けるとは三権分立の概念から立法を動かす(法律を変える)ことである。本村氏がそのことに思考が及ばないのが非常に残念だ。
最後に、本村さんが賢明である事を信じて言いたい。被害者は貴方だけではないということ。奥さんや娘さんが第一の被害者で、裁判により真相を究明することが最も大事なことなのである。貴方の被害者遺族の感情が最優先される裁判(判決)や刑の執行では今後の社会に対しなにも役立てる事ができない。再発防止に結びつかないということである。それが貴方が今やっている社会貢献の理念(理想)ではないのか?
賢明な本村氏がなぜこのような態度を続けるのか?これも所謂”社会的な問題(と同時に被害者、被害者遺族の救済策)”として考えなくてはならないだろう。
同情があるのかもしれませんが… ★★★★★
死刑に関して、考えさせられました。本村さんの意外な一面が見れて良かったです。これを読むまでは本村さんがあまり好きではなかったんですが、彼の今の姿には感動しました。
批判がね あまり有益で ないんだな ★★★☆☆
1.内容
いわゆる光市(母子殺害)事件をきっかけとして、弁護士のこと、精神鑑定のこと、被害者の権利のこと、死刑をどう考えるか、犯罪をどう帰責させるべきか、報道がどうあるべきか、を、遺族の本村洋さんと、本村さんを「最初に訪ねて来られた」藤井誠二さん、藤井さんに紹介された宮崎哲弥さんとで語ったものである。
2.評価
(1)何よりも長所は、本村さんが冷静に語っていることである。反論したいところもあるが(たとえば、犯罪のない社会は、申し訳ないが実現しない。人間は何かの拍子で犯罪を犯すもの)、本村さんの発言が一番参考になった。また、被害者の権利を考えるきっかけになる記述が多いし、公平を期そうとしているところもあった(p122「死刑制度のが凶悪犯罪を抑止しているという一般予防効果には、実証的な犯罪学の立場からかなり疑問符が付けられているのが現状」、p141「死刑制度の維持、死刑確定者の管理というのは、とてもコストがかかるんですよ」(ともに「死刑廃止論者」(p97)の宮崎さんの発言。ただ、一般的な廃止論の人と根拠が異なる上に、「理念もなければ、理論もない死刑廃止」(p131)には反対だそうだ)。
(2)短所は、批判が単なる悪口に堕していたり、有効とは思われなかったり、といったところが多いところ。(ア)評論家やジャーナリストがいくら取材しても、弁護士と依頼者(被告人)の間がわかるわけがないので、推測で弁護士を批判することには意味がない。勢いあまって「名古屋アベック殺人事件でもまったく同じ方法で、主犯格『少年』の無期懲役を『勝ち取った』」(p31)と、さも問題のある弁護をしているかのように(実際は弁護士が優秀だから無期懲役になったという側面がある)書くのは、犯罪的(名誉毀損)だろう。(イ)野田さんや精神鑑定に対する批判も有効でない(野田さんの矛盾を突いても仕方ない(また、野田説が正しいかは判断できない)、心神喪失・こう弱(刑法第39条)=精神病ではない、など)。(ウ)死刑の存廃論については、廃止論者を「自分に都合のいい解釈」(p108)などと罵りながら、誤判の回復可能性の違いや、人が(犯罪者も)生命に対して権利を持つ(法的拘束力はないが、世界人権宣言第3条)ことは考慮していないのだから、「自分に都合のいい解釈」は同じだろう。(エ)BPO批判も、委員の事件と直接関係ないプロフィールを批判するなどお粗末なものだった。
(3)以上、長所は星4つ、短所は星2つ、中間を取って星3つ。
被害者遺族の貴重な証言 ★★★★★
ある日突然、受け入れがたい形で愛する家族を失った本村氏が宮崎哲弥氏、藤井誠二氏との対談の中で、事件以来何を考え行動してきたかを簡潔な言葉で、淡々と語っている。
多くの被害者遺族が口を閉ざし、引き籠ってしまう中で被害者遺族の心境を赤裸々に知ることが出来る点でとても貴重な書。
憎しみや怒りや、ある持論を前面に出して行くのではなく、本村氏自身が一市民として被害者遺族として不思議に思ったこと、納得出来無かった事、これからの司法に望む事を、理路整然と理性的に語っている。対談の最後の方に、多くのマスコミの中で何故、宮崎哲弥氏、藤井誠二氏が対談相手として選ばれたか、言葉少なに語られている。マスコミや報道に関わる人達の被害者遺族への配慮と接し方の在り方を見たような気がした。ただ単に「罪には罰を!」と声高に叫んでいる本ではない。日本の少年法を考える上で是非読んでおきたい。
内側 ★★★★★
不可避的にメディアに登場することになり、被害者遺族の象徴のようになってしまった本村さんが参加したこの対談集は、死刑問題だけでなく彼がこの10年で抱えてきた葛藤と覚悟を様々な角度から知ることが出来る本だった。
ただの一社会人で、サラリーマンの本村さんが辿ることになったこの10年の足跡には、メディアで報道されている側面でしか知らない私には考えさせることが多かった。
本村さんへの質問を、敢えて内面に踏み込むために聞きにくいことであろう事件そのものについても踏み込んでいる。
被害者遺族に対し世間は第二の殺人をしているかのような行動をしてしまうが故に、本村さんが自身の基軸をずらさないでいた内面がこの本から伝わってくるから哀しみが胸に迫った。
「光市母子殺人事件」判決文全文はかなり読み毎えがあります。