一般人を見下しているような
★★★☆☆
大学でレポートを書く際に読みました。
この作者は裁判員制度を反対している人ですね。最後のほうには裁判員のサボリ方などまで書かれてます。でも、このサボリ方を使ってたくさんの人が裁判員をサボるようなことがあって裁判が進まないということがあったらどうするつもりだろうか?
あと、分野が違うが石原千秋氏の本で「ですます調で書かれている本は読者を見下している場合が多い」と書かれていたが、この本はまさしくその典型的な例だった。
全体を通じて、作者は一般市民を素人として見下している感があった。
法律知識のない一般市民に裁判に参加してもらい、法律に触れたり、関心を持つ機会を増やそうとするのも裁判員制度の目的の一つだと思う。それを真っ向から一般人は素人だからダメだというのはどうかと思う。ちなみに、言っておきますが自分は裁判員制度の賛成者ではないので。
裁判員制度について、興味がある人はこの本だけでなく他の人の本も読むことをおすすめします。一つの本だけ読むとその作者の考え方に支配されてしまいます。
裁判員制度に反対するための論点が整理
★★★★☆
来年始まる裁判員制度について、「どうも釈然としないなぁ」と思う人は読んで下さい。
なぜ釈然としないかが、多くの視点から明らかになります。
知っているようで知らない「陪審制」「参審制」の違いや、一般的な訴訟手続の概観にも触れているので、(当然に裁判員制度反対という点で一貫して偏っていますが)制度に興味のある方の入門書としてよい感じがします。
あと特筆すべきは「裁判員を忌避する」具体的な方法が列挙してあることです。中には無茶な屁理屈に思えるものもありますが、知恵のある人がこうしたテクニックを駆使して裁判員を避けて通るとするならば、ほんとうに民意の代弁者たる裁判員が集まるのかという疑問は払拭できないでしょう。
あと裁判員制度を推進するのであれば、「裁判員の義務は国民の義務か否か」という憲法上の問題についても、納得のいく説明をしなくてはいけないと思います。教育・勤労・納税・裁判員? 本書が提起する問題に反論しなくては、裁判員制度は国民にとって「導入してよかった」と思える制度にならない気がします。
無知も怖いが洗脳も怖い
★★★☆☆
裁判員制度について何も知らないでいる人がいるということも怖いけど、何も知らずにいきなりこの本だけ読んで、鵜呑みにされるのも怖い気がします。
「裁判員なんて引き受けたらあなたはこんなに損するんですよー」と弱者の立場に立っているように見えますが、結局「裁判員なんて義務教育をすませただけのおじさん、おばさんにできるわけがないですよー」という上から目線が垣間見えますね。
裁判員から逃れるために薦めている方法には、「ちょっと賢い(と著者が思っている)人向け」法律にのっとった手続きもありますが、酔っぱらう、犬に食われたという、同じことをくどくど繰り返す、といった「これならバカでもできるだろう」と思って書かれたであろうものまでありますから・・・・・
他にも裁判員制度についての本も読み、客観的に判断していただくことをおすすめします。
裁判員制度には反対だが…
★★☆☆☆
この本は、反対論者の私から見ても極端な論理展開が端々にあり、まともな評論として期待すると裏切られるかもしれません。
ただし終盤の「裁判員の逃れ方」の章は、ギャグとしては笑えて面白かったです。
悪意と屁理屈にみちた本
★☆☆☆☆
本書では裁判員制度のさまざまな問題点を攻撃している.問題点を知ることは重要だが,悪意をもって攻撃し,問題を解決するのでなく問題があるから破壊してしまおうという態度が適切なものだとはかんがえられない.本書では裁判員制度が憲法に違反しているということをくりかえし主張しているが,それは裁判員制度が他の法律とのあいだには矛盾がないので,無理矢理,憲法をもちだして屁理屈をならべているとしかおもえなかった.問題点を知るのには役にたつだろうが,あまりおすすめできない.