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夜会服 (角川文庫)

価格: ¥540
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店(角川グループパブリッシング)
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夜会服の虚飾の欺瞞世界に反抗するエリート青年 ★★★★★
西洋人との社交が第一のブルジョア母親に反発する俊男と、彼を愛する絢子との結婚、嫁と姑のいざこざ、という一見ありきたりなストーリー展開のなかに、西洋社会に媚びざるを得ない近代日本、現代日本と、そのジレンマのなかを生きる青年(三島)が暗喩されている興味深い作品でした。 俊男を理解し問題解決にみちびく宮様は、三島由紀夫の理想の、ゾルレンの天皇像を重ねているのでしょう。夜会服の世界第一の母親の父が、かつて二・二六事件将校に命を狙われていたが巧く生き残った人物というのも、なにやら意味深です。
ブルジョア階級の方々の悩みが何となく分かります! ★★★★☆
題名が「夜会服」という現代では耳慣れない言葉であるが、本小説によるとブルジョア階級などの人々が夜な夜な催される交流パーティに参加するための服装を指す。
そしてストーリーは、そのブルジョア階級の交流パーティの常連である未亡人でヒステリックな滝川夫人、万能で贅沢な悩みを持つ滝川夫人の息子の俊夫、その結婚相手となる絢子の3人が織り成す、夜会服の世界を中心にしたゴタゴタ劇だ。
滝川夫人と俊夫の個性が強すぎ、そんな彼らに翻弄される絢子の視点で物語が進むため、絢子の個性がちょっと物足りないと感じた。
しかし、三島ならではの皮肉めいた機知あふれる書き方で、ブルジョア階級だからこそ抱える問題が展開されていくため、面白可笑しかった。