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夏子の冒険 (角川文庫)

価格: ¥540
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川グループパブリッシング
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羊ならぬ…熊をめぐる冒険 ★★★★★
愛らしい夏子と、仇討ちの熊を追う青年のキャラも魅力的ですが、脇役のユーモラスな三人婆のキャラが笑えました。
村の少女に嫉妬する夏子の微妙な心理の描き方も秀逸でした。
着地点は ★★★★★
主役は2人と1頭かな。

夏子→井田→熊
この絶妙な主役達の「思い」のバランス。
そこにひとクセある魅力的な脇役がこのバランスを保ちつつ、
壊しそうで壊さずに絡んで話が展開。

最後の3ページ以前は長い前フリか?
夏子らしい結末で安心した。

典型的な貴種流離譚!三島ビギナーおススメ。 ★★★★★
本作品をざっくり要約すると、夏子というブルジョア育ちのお転婆娘と、今は亡き元恋人の仇討ちを心に宿す毅という好青年が繰り広げる、愛と笑いの溢れる貴種流離譚です。
そう、三島ファンなら常識であります三島お得意の貴種流離譚です。まだ、三島に手をつけ始めたばかりの人には是非おススメです。なぜなら本作品は、その多くの三島作品の中でも、貴種流離譚とは何なのかを最も分かり易く描いてくれた作品だからです。
夏子や毅も、当時からしたら大分裕福な人間で、そんな彼らが北海道という日本の外れのさらに部落の住むような場所で、熊退治にいく物語なのだから、まさに典型的な貴種流離譚なのであります。
また夏子の感情に変わりっぷりには、登場人物のみならず私も翻弄される始末であり、そんな感情の起伏が最大に発揮される結末は、私も全く予想だにしないものでありました。
進め!!女の子 ★★★★☆
三島作品で一番好きです。 豊穣の海シリーズよりも読みやすいです。しかし、その中にも三島作品らしい繊細で美しい巧妙な表現は見事だと思います。 特に女の子のは読んで貰いたい作品ですね、色んな意味でw 私自信、夏子にいろいろと 学ばされました。 強く信念のある女性。 たとえ、わがままそうに見えてもいいんです。だって自分の人生ですものっ、自分の好きに生きて!! 悲恋の「春の雪」とはまた違う、明るい世界観は比較すると更に面白いでしょう。美しい北海道の自然の中で、現代の女の子にも通じる恋愛感は読んでいて共感する部分がいっぱいありました。切なかったり、自分の思い通りにならない人に惹かれたり。
三島作品は全てを通して 「大人の為のおとぎ話」って私は勝手に解釈してるけど、これはまさに小さい頃に読んだお姫様物語が少し文学的要素とリアリティーを持ったと言えます。
ラブコメって感じかなぁ。
気まぐれお嬢様の冒険記 ★★★☆☆
三島由紀夫がこういう軽いタッチのものも書く、というまた違った側面を見るようだった。主人公の夏子はモテモテのお嬢様だが、世の中に自分の満足する男性がいない、ということで、世俗で生きることをやめ、突如、修道院に入ると言い出す。このお嬢さんは、いきなり何かやりだしたり、言い出したら聞かない性格とのことで、家族が付き添って、北海道まで行くのだが・・・。

 そんな夏子の目の前に「仇をつけ狙っている」という青年、井田が現れる。この井田の仇は何かと分かると、まるで『白鯨』のエイハブじゃないか!と思うのだが、本書の解説の千野帽子もエイハブを引き合いに出している。夏子の冒険はその井田と巡り合ってから始まるのだが、ラストはそうだろうな、と思いつつ、「ギャフン」と言いたくなる感じ。かなりノリのいい作品だ。

こういう夏子を学校の女生徒たちが「英雄」視するのが、どんなに女性の生きづらい時代なんだ?と感じるし、夏子に言いよる男性が、いかにいい家に住まわせてあげるかと自慢すれば、そんなところに閉じ込められてたまるか、と思うというあたりも、じゃあ修道院に入るのはいいのか?と夏子に問いたくなる。が、こういう時代的なものか、三島由紀夫の趣味か、とにかく今の時代に読むとそういうアナクロニズム的なところもちょっと面白い。