リューメイのマンガ論
★★★★★
吉本隆明がマンガの評論を始めたことによって、マンガは評論する価値のあるメディアとして認知された。なので、五つ星。
本書は、手塚治虫の死と昭和の終わりを並列に語るところから始まります。手塚さんの死に対して、敬意をもっているのが伝わります。
あとは、目次を見てもらえればわかるのだけど、『沈黙の艦隊』など作品や作家に対する評論と漫画家や漫画評論家との対談です。
余談ですが、大塚英志との対談の最後に、”啓蒙されました”といい、ちょいうけでした。
私的なよみどころは、あとがきににかわる、”言い残したことなど”です。
そこでは、『銀河鉄道999』を宮沢賢治のそれと比較しています。また、松本零士に対する、共感も示しています。
『銀河鉄道999』は、アニメを考えるときにメルクマールとなる作品といえるだけに、もしくは、ここからアニメのあり方がかわった作品であるので、最後にここに言及するのは、さすがの慧眼です。