あとがき自重
★★★★★
あとがき読んで後悔。3作目の内容に触れてますから、期待してる人は読まないのが吉。
細かい工学描写にワクワクするハードSFの傑作!
★★★★☆
『時の眼―タイム・オデッセイ1』 は並み以下の歴史SFだったが、
これはなんとか並み以上のハードSFになった。
太陽が異常になり、5年後に致命的な熱線が地球に降り注ぐことが判明し、
地球と同じサイズの盾をラグランジュ1に建設し、
地球滅亡を防ごうという話である。
物語の背後にふざけた宇宙人(オーバーロード)が潜んでいるのが欠点だが、
地球政府の高官は女ばかりだし、
ホモが二人も出てくるし、
ジェンダーSFとしても評価出来る。
メインストーリーには関係ないが、
ヴァチカン市国がスペースシャトルの自爆テロで消滅するという素晴しいシーンもありますw
地球サイズの人工天体を作り、軌道を制御する技術面の難しさの
細かい描写がとてもワクワクします。
制御にはコンピュータが欠かせないが、
自意識を持つ彼女は、人類に嘘を付いている節があった。
嘘つきと責めると軟弱な神経質のHAL9000みたいに発狂する恐れがある。
人類はキチ○イかもしれないコンピュータに全てを賭け、
黙々と盾の建造に邁進する。
地球の運命は?そしてコンピュータの運命は?
完全なる工業系ハードSF!バクスター節全開!
★★★★★
前作「時の眼」は歴史、というかイギリスから見た
モンゴルや古代の帝国に重点が置かれていて、
ハードSFというよりは歴史系SFの感が強かった。
そのため、バクスターならではの「巨大趣味」「巨大仕掛け」があまりなく、
正直、個人的には物足りないものであった。
これに対し本書は、完全なる工業系ハードSFである。
あらすじはここでは省くが、もうバクスター節全開である。
(クラークとの共著となっているので、やや遠慮が見て取れるけれども)
“ジーリーズシリーズ”が好きな人に、特にお薦めする。
前作「時の眼」を読んでいなくても十分楽しめる。
シリーズ三作目の翻訳を切に望む。
キーワード
太陽嵐、ファーストボーン、東方の三賢人、ロンドン、
ナノテク+AI+バイオ、AIへの人格付与、惑星砲、観察者、
スリングショット(月面カタパルト、ぱちんこ)
シヴォーン、パド、螺旋、中国の野心、皆既月食・日食
AI爆弾、辺境の惑星における“三賢人”の会話、
「クラークの後継者はバクスターに決定」