ゆるやかな変化
★★★★★
PEANUTS全集も3巻目です。連載開始から変化してきた絵柄はようやく安定してきたのがはっきりします。登場人物もほぼ固定し、内容的にはあまり変化が無いように見えますがそれでもいくつかの重大な変化も起こっています。
まず、ライナスはハイハイを卒業して二足歩行を始めます。普通にしゃべるようにもなり、チャーリー・ブラウンの良い友人になりました。スヌーピーはまだ二足歩行こそしていませんが、後脚で立ってダンスをする姿を見せるようになります。また、犬小屋の上での仰向け寝もまだ登場していませんが、シュローダーのピアノの上に仰向けに寝そべるシーンがあります。一方でこの巻では鳥が1回しか登場しません。ウッドストックへの道はまだまだ遠いようです。
このように変化が無いように見えても、実はゆっくりとした進化が続いているのです。
これまではPEANUTSの歴史を検証するのは少々難しいことでしたが、この全集によって時系列的な研究も存分にできるようになりました。マニアなら手元に置いておきたくなる本です。がんばって全巻そろえましょう!