「ストーリーを創る」ことは、従来一種の「秘伝」とされてきました。
作家には作家独自の「秘すれば花」の秘密があり、いわく言い難い不立文字の境域に閉じこもって、天与の「才能」やゴリ押しの「修業」が、神秘化されて語られたりもします。
しかし、一定の手順で情報を集め、それを或るやり方で構築すれば、ストーリーは誰にでも書けるのです。
実はそれは、どんな作家も、無意識に実行している方法で、私たちはそれを、意識して踏み、回り道を省こうとするだけです。

ここでは、みなさんを一つのスタートラインにご案内します。
そこから出発すれば、誰でも、物語をつくり、あるレベルにまでは、必ず到達することができるでしょう。
それから先は、あるいは「才能」と「運」と「根気」が問われる
世界かも知れません。

ストーリー作りは、一人の人間が全力を傾けるに足る仕事です。
いざ、その秘蹟の中に分け入って見ることにしましょう。