ゴータマ・ブッダが成し遂げたパラダイム変換
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本書によって、ゴータマ・ブッダが成し遂げた「瞑想から科学へ(第3講)」というパラダイム変換の先進性をインド哲学史の中でよく理解できる。ゴータマ・ブッダが確立した精神科学は、当時存在した徹底思考型のディヤーナと思考停止型のディヤーナの前者の修行法を新たに独創して、人間(凡夫)を聖者(四沙門果)に進化させる科学的修行法(プロセス)を明確にした。そのプロセスが、初転法輪で説かれた「苦楽中道の教え」、「四聖諦八聖道の教え」、「五蘊非我の教え」なのである。それは宗教ではなく、心の科学と理解すべきなのである。それらの具体的な内容は、同じ著者の『ブッダが考えたこと』や『仏教かく始まりき』に詳しい。