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インドの「一元論哲学」を読む―シャンカラ『ウパデーシャサーハスリー』散文篇 (シリーズ・インド哲学への招待)

価格: ¥2,625
カテゴリ: 単行本
ブランド: 春秋社
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インド哲学を理解する基準は、ゴータマ・ブッダの五蘊非我 ★★★★★
本書は、ゴータマ・ブッダが考えたこと(五蘊非我)を基本に据えて、哲学の根本原理となる自己が、ゴータマ以前とゴータマ以後でどう変化したのか、ゴータマ以後の思想がどう関与したのか、ヨーロッパの哲学との対比はどうか、など興味深い議論を展開している。従って、『ブッダが考えたこと』等の著者の仏教関連の著作を理解した上で本書を読めば、その極めて平易で明快な解説を実感できる。
その一例は、自己は世界内存在と考えたヴァイシェーシカ学派やニヤーヤ学派(p.29)、自己は世界外存在と考えたヤージュニャヴァルキヤやサーンキャ学派やシャンカラやカント(p.30)、それに対して自己は世界外存在と考えながらも沈黙したゴータマ・ブッダ(p.30)、という指摘によく現れている。しかも、それに続く解説で、“自己を世界外存在と規定すると、「勝義よりして、修行は不要」(p.35)”という議論に発展したことを知り、ゴータマ・ブッダが修行の要否に関わる議論を未然に防ぐために沈黙し、毒矢の喩えで不毛の議論を止めた理由が良く理解できた。
インド哲学 …謎だらけだったものを深い知識と論理で ★★★★★
ヨガをされているかたは、ヨーガ・スートラに馴染んでいらっしゃれば、プルシャ プラクリティ アートマン ブラフマンといった言葉をより広く、深く知ることができます。シャンカラの不二一元論をもって (情報の少ない)ヴェーダ聖典の一元論を浮き彫りにしていく手法が、たいへん分かりやすいです。

中立的で、押し付けの無い内容になっており、安心してお勧めしています。この本、(シリーズ)を通して、多くの気づきが生まれるのではないでしょうか。

難しいことが書かれているのですが、気が付くと、ナンセンスなことが大真面目で議論になっていたり、著者の書き方がとてもウィットに富み、何回か、笑ってしまいました。大変多くの、新鮮な知識を提供している本です。
「シャンカラは、世界は、無明が生み出したマーヤー(幻影)でありまったく実在性を欠いているとした」哲学者。

〜第1章の1、
『さて、解脱を願い、[ヴェーダ聖典および私たちを]信頼し、[私たちに教えを]求める人々のために、解脱をもたらす手段を教える方法を、私たちは説明する事にしよう』

とはじまり、問答の末 行きつきます。

第2章の110で、
[解説]
「弟子は無明を取り除く明知を手に入れたので、輪廻の苦から解脱したのだと、師からお墨付きを与えられます。もっとも、輪廻の苦、それ自体、真実には存在しないのですから、解脱も真実にはないのですが。」

〜たいへんに面白いうえ、ヨーガについて考えるうえでも、傑作ではないかと思うのです。