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ロスジェネはこう生きてきた (平凡社新書 465)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 平凡社
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生き地獄天国続編 ★★★★☆
生き地獄天国―雨宮処凛自伝の続編的性格を持った本。
2000年に上梓された生き地獄天国と比べ文章が洗練された印象。
著者にまつわるエピソードに、生まれた1975年〜2009年に
世間で起きた出来事が書き加えられている。

1972年〜1982年生まれの世代がロストジェネレーションと呼ばれる。
1977年に生まれた自分はちょうどその中間あたり。
同じ北海道に生まれた事もあり、中学校までの環境には
親近感を覚える。

自分は著者がおぼえたような疑問に対しては
臭いものにふたをする感じで見て見ぬふりをしたり
ある意味で鈍感だったりタフだったりしたかもしれない。

著者と自分とは対極的な人生を送っているにもかかわらず、
親への反発、自分探し、自分のエネルギーのぶつけどころへの迷い
など根本的な部分では共有点を持っていると感じる。
特に高校卒業後は、突然、ある程度は限定されているが自由な
世界に放り出されてからは、疑問に対して
臭いものにふたをする感じで見て見ぬふりをしたりということが
難しくなってきた。

自分がネオリベラリズムの問題点に気づいた原点は
リハビリテーション打ち切り問題に端を発して、
世の中の流れが何かおかしな方向に向かっているのでは?
と感じたところからであった。時は2006年であった。

我々の世代は分断されていると考える。
最低限の生きる保障が無ければ、健全な次世代は生まれない。
その事は結果的には社会の不健全化・活力の低下に結びつくと思う。

著者の周辺で生活している人々と比べ、ある意味とても恵まれた
生活を送っている自分であるが、社会の多方面を見て、
同世代の連帯を目指したいと思う。

同じ気持ち ★★★★★
私もロスジェネの一人。豊かな時代に生まれながら正規の職にはいまだ就けていない。

受験戦争を勝ち抜いて努力してきたのに報われないという現実。大学生の頃は周囲の人間がやる気が感じられなくて、それに付き合わされるのがバカバカしいと思っていた。

就職が決まらず焦らされて自分を必死にアピールするが、空回りしているようで採用担当者には全く通じない一面ばかり。

そんな世代の叫びを彼女は代弁してくれている。
とっても普遍的な個人史 ★★★★★
雨宮処凛さん・・なんとなく自分と同じスメルの人だなと思っていたのですが、今回はじめてその著作物を拝見しました。思春期にいじめ、不登校、家出、自殺未遂を経験することは決して珍しいことではなく、その一歩手前でぎりぎり「いい子」にして、ふんばっている子どもも含めたら日本の若者の大半になるのではないでしょうか。

アル中の親を持つなど、問題のある家庭で育った子どもは自己評価が低く、しかも依存心が高く見捨てられることを恐れる、いわゆる「アダルトチルドレン」になりやすいといわれます。アル中でなくとも不寛容な親に捨てられまいとがんばって、親を喜ばそうとして勉強にスポーツに骨身を削っている子どもたちが、この国では多すぎるのではないかと思います。実は日本という国は「国家」自身が機能不全家庭のようなものなのです。

雨宮さんの活動クロニクルを克明に記録した本書は、彼女の個人史であると同時に「日本」という親に裏切られ続けた子どもの心の痛みが感じられます。しっかりとゆるぎない親に依存したいという気持ちから右翼に、そして裏切りは許さないという立場から左翼にもいかようにも変幻する彼女の個人史は、実はきわめて普遍性の高いものと思います。

ある調査によると、日本の若者の自己評価は諸外国に比較してずばぬけて低いとか。

そう、たぶん私たちほとんどの日本人は日本国という崩壊家庭に生まれ、育ったアダルトチルドレンなのです。

アダルトチルドレンにとって最大の課題は「世代間連鎖」を断ち切ることだとおもいます。この点からもはや「若者」とも言いがたいロスジェネ世代のオピニオンリーダーである雨宮さんから、今後ますます眼が離せません。

よって、文句なしの星五つとしました。
天は自らを助くる者を ★☆☆☆☆
1972年から向こう10年の間に生まれた人々が「ロスジェネ」だそうだ。
一方、「草食系男子」の本で自らを「バブル世代」と規定していた某女史は68年生まれ。
せいぜいその翌年までがバブル世代である。
バブルのアンカーとロスジェネのトップ・ランナーの年齢差は僅か3歳。
この程度の生年の違いで労働市場における需給が大きく変わってしまうのは不条理だとは思う。
また日教組が教育を荒廃させたという糾弾には大いに共感する。
(著者は道産子だが道教組の凶悪さは著名)

しかし人はそれぞれに苦境や挫折の中から這い上がっていかなければならないのではなかろうか。
「自己責任」であるとか、況してや「構造改革」の全否定はいただけない。
雨宮の自伝的著書 ★★★★☆
フリーターをやっていたけど物書きとして成功して生き残っているという、モデルマイノリティ(成功した少数者)の人生の記録である。
既に雨宮が自伝として出している「生き地獄天国」と比較するとすれば、その当時に社会ではどんな事が流行したか、どんな重大な事が起こったか、という観点が追加されている。何より「生き地獄天国」を書いた段階では参加してないプレカリアート(不安定なプロレタリアート)の生存運動に関することが多く書かれている。プレカリアートが生き残るのに参考になりそうな部分は、フリーターの労働組合などの紹介くらいだと思われるが、なぜこんな状況になったのかを社会の体制の問題として見る上で勉強になる所も多い。
世を騒がせた犯罪者に自分の心の闇を見つけたり、ヴィジュアル系バンドにはまったり、リストカットをしたり、ネットが普及しだした頃にメンヘル系サイトに出入りして交流を持ったり、といったありがちで理解しやすい心理と行動をとっているが、そうした傾向を持つ人やプレカリアートが、雨宮のように生き残る側に立つ術は書かれてない。雨宮の周りのプレカリアートが安定した生活を獲得した例の紹介などがあればよかったが、そうした人は雨宮の周りにはいないのだろうか。
ある一定の正規のルートから外れると貧困にすべり落ちてしまうという状況は分かったが、正規のルートから外れながらも安定した生活が保障される新たな生き方の提示などがされる必要があるように思った。