諜報の世界
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「ローマ法王を取り巻く黒い法衣を着た参謀たち、ことに枢機卿と呼ばれる緋色の法衣をまとった七十人の最高権力者が、
このカトリック教会総本山の金庫の鍵を握り、法王を動かしているのである。彼らは世界各地に散らばり、
それぞれの国家や地域で聖なる献金を受け取りながら政治と経済に絶えず目を配り、懺悔室でさまざまな階層の人間の告白に耳を傾けて世情をつかんできた」
「アンブロシアーノ銀行が世界各地の幽霊会社に不正融資をおこない、
その投資ビジネスのパートナーがローマ法王(ヨハネ・パウロ二世)のバチカンだった、という信じ難いスキャンダルが明るみに出てきた」
1982・6・17 アンブロシアーノ銀行本店の五階から(三十年にわたってアンブロシアーノ銀行に勤務し、頭取の秘書をつとめてきた)グラツィエラ・コロケルが投身自殺
1982・6・18 イタリア最大の民間銀行「アンブロシアーノ銀行」の頭取ロベルト・カルヴィの首吊り死体が、ロンドンのテームズ河にかかる橋の下で発見
「特に問題となり、社会が衝撃を受けたのは、神聖なるカトリック教徒の総本山「バチカン銀行」がこれに関与し、
兵器メーカー、ポルノ出版社、避妊用ピルのメーカーといった、信徒にとって悪魔的な企業の株をバチカンが所有していたことである」
「サダム・フセイン=イスラエルの諜報機関モサドがアラブ世界に送り込んだ高級エージェント」