初めて電磁気学を学ぶ時に読むベクトル解析
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電磁気学を学ぶとガウスの法則では面積分、アンペールの法則では線積分がでてきます。しかし多くの学生がこのベクトルの積分ができず、苦労しているところを見てきました。
このテキストでは、初めて電磁気学を学ぶ方々が必要なベクトル解析を、丁寧に説明することにしました。そして、電磁気学では使わないベクトル解析については、思い切って省いています。本書では次の様な特徴があります。
・ベクトルは大きさと向きで理解する:ベクトルの意味はたくさんありますが、とにかく大きさと向きを意識することでベクトルを理解することができます。
・ベクトル場を描く:ベクトル場を簡単に可視化できるのだから、図として理解する方が便利でしょう。
・線分、面分、体分 で線積分、面積分、体積分を行う:ベクトルの積分は本当はヤコビヤンの計算をきちんとして説明する方がいいのかもしれませんが、図形的に理解することで無理なく読み進めることができるはずです。
・ベクトル同士のなす角は0か90°のみ:一般にはベクトルとベクトルのなす角度は任意のはずですが、本書では平行か垂直かのどちらかしかないとして、解説を進めています。これによりかなり具体的な計算ができ、分かりやすくなりました。
本書でベクトル解析のベクトル場、座標系、線積分、面積分、体積分などが理解できて、使えるようになると、電磁気は俄然面白くなります。ぜひ最後まで読み進めて、理解いただきたいと思います。
目次
はじめに
第1章 ベクトル
1.1 スカラーとベクトル
1.1.1 ベクトルの意味
1.1.2 ベクトルの表記方法
1.1.3 ベクトルの成分表示と大きさ
1.1.4 面ベクトル
1.2 ベクトルの基本演算
1.2.1 ベクトルの和
1.2.2 ベクトルの差
1.2.3 ベクトルのスカラー倍
1.2.4 ベクトルの内積(スカラー積)
1.2.5 ベクトルの外積、ベクトルのベクトル積
1.3 スカラー場とベクトル場
1.3.1 スカラー関数とスカラー場
1.3.2 ベクトル関数とベクトル場
1.3.3 まとめ
第2章 座標系
2.1 直角直交座標系
2.1.1 基本単位ベクトル
2.1.2 3つのベクトル場
2.1.3 線分、面分、体分
2.2 円柱座標系
2.2.1 座標
2.2.2 基本単位ベクトル
2.2.3 ベクトル場
2.2.4 線分、面分、体分
2.3 極座標系
2.3.1 座標
2.3.2 基本単位ベクトル
2.3.3 ベクトル場
2.3.4 線分、面分、体分
2.3.5 まとめ
第3章 ベクトルの積分
3.1 線積分
3.1.1 直角直交座標系における線積分: 川の流れのようなベクトル場
3.1.2 円柱座標系における線積分:直線から爆発するベクトル場
3.1.3 円柱座標系における線積分:回転するベクトル場
3.1.4 極座標系における線積分:爆発するベクトル場
3.1.5 電磁気における線積分
3.2 面積分
3.2.1 流体の速度ベクトルと面ベクトル
3.2.2 直角直交座標系における面積分:川の流れのようなベクトル場
3.2.3 円柱座標系における面積分:直線から爆発するベクトル場
3.2.4 円柱座標系における面積分:回転するベクトル場
3.2.5 極座標系における面積分:点から爆発するベクトル場
3.2.6 電磁気における面積分
3.3 体積分
3.3.1 円柱座標系における体積分
3.3.2 極座標系における体積分
3.3.3 電磁気学における体積分
まとめ