レトロハッカーズ第34巻
人類の宇宙開発は1冊の本からすべてが始まっている。ジュール・ベルヌの『月世界旅行』だ。小説の中で詳細に語られた月への飛行プランは、科学少年の心に響き、ツィオルコフスキー、オーベルト、ゴダードといったロケット科学者の第1世代を生みだした。彼らの夢はフォン・ブラウン、コロリョフといった第2世代に受け継がれた。コロリョフは、ソ連で、ドイツのV2技術をコピーするところから始め、世界初の人工衛星スプートニク1号、世界初の有人飛行ボストーク1号を成功させ、人類を月に送ろうとしていた。しかし、力つき、米国のアポロ計画に栄冠をさらわれてしまう。鉄のカーテンの中で、夢を実現しようとしたエンジニアの物語。図版42点収録。

目次

宇宙開発は1冊の本から始まった
きわめて正確だったベルヌの飛行プラン
緻密なベルヌの月世界旅行計画
『月世界旅行』が初期のロケット工学者を生みだした
大空に憧れたセルゲイ少年
ロケットに自分の居場所を見いだしたセルゲイ
収容所送りからV2との出会いへ
V2の技術を奪い合った米国とソ連
爆撃機に頼る米国、ミサイルに賭けるソ連
ICBM（大陸間弾道弾）となったR5
R7からスプートニクへ
コロリョフ、一世一代のペテン
世界ではじめて宇宙を飛んだ犬「ライカ」
月にとどかなかったセルゲイの情熱

2014年7月18日第2刷発行：
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