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カブたび3

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
ブランド: 0030Factory
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2014年8月8日、金曜日

いつも通り5時に起きて6時半には家をでて会社に向かう。今朝はZIPのおみくじも☆3つといい出だしだぜ、こうみえても日頃はマジメなサラリーマンなのだ。
夏休み前の仕事をこなして、埼玉県川口市の自宅によーやく帰れたのが21時。
最終荷造りをしたり、カブに荷物や予備ガソリンをくくりつけ、22時にスタートだ。

気になる天気は埼玉-栃木は降水確率70%、宮城、岩手、青森と北へ進むにつれ40%まで下がる。
それもそのはず、大型の台風11号は強い勢力を保ったまま、東海地方を時速40kmでゆっくりと北上中だ、スタートが遅くなればなるほど台風に巻き込まれる可能性が高くなる。
台風の影響で所々、雨に当たりそうだけど、こんな旅もなかなか出来ないお年頃だ、家族に感謝して楽しんでいこう。

いつも通り自宅からカブで走り出すだけなんだけど、スピードメーターの距離計や時計を撮影してると、いつもとは全く違う緊張感が溢れてくる。
この期に及んで、仮眠したほうがいいんじゃねーの? とか、カブで独りで台風の中、走らなくてもいいだろう。なんていう弱気の自分が顔を出す。
うん、眠くなったら寝よう、インターネット喫茶だって、24時間営業の健康ランドだって、日本なら何処の街でもあるはずだ、そうだ、つまらなくなったり、辛くなったりしたらそこで止めればいい。
誰の物でもない、俺様の夏休みだ、楽しまなくちゃ意味がない。

そんな思いで走り出した。さあ、旅の始まりだ。
近所のスタンドでカブを満タンにする、ついでにガソリン携行缶にも0.7リットル入れておく。
出来ることなら使わないで帰ってきたい、命の50km分だ。

22時を過ぎたというのに、意外な程、車が多い。
草加市から国道4号(以降、R4と表記)に出たとたん、出鼻をくじかれた。
まさかの渋滞だ。

やれやれ、先を急ぐ旅でもないけど、早速すり抜けかー。
と思いながら車の間に飛び込むとなんだかバランスが悪い、どうやら後ろに積んだ山盛りの荷物のせいだ。
そういえば、リアに積んだGIVIのトランクは29リットルの容量満載で30kg近かったっけ、急ハンドルには気をつけよう、まあ、すぐに慣れちゃうんだろーけど。
草加市、越谷市、春日部市と渋滞の中、走り続けていつもなら快走路になるはずが車の流れが多い、R16との交差を過ぎても、まだまだ車の量が減らない。ありえないことに幸手市の先の片側1車線区間でついに断続渋滞から完全停止に。ってゆーか、まだ1/100も走ってないんすけど。
いっくら待っても進まないのでそろりそろり追い越しかけていくと、なんと大きな橋の工事中で、片側交互通行。これじゃあ前に進めないはずだよ。
片側交互通行の先はすきはじめて、やっとR4っぽくなってきた、茨城、栃木と進むと、ヘルメットにパチパチと水滴が当たりだした。

おっとー、いよいよ雨かなー?って思って、振ったり止んだりする中を暫く走り続けたら、濃密な雨の香りがしてきた。
そーだ、雨にやられる前はいつもこの空気だ。
決して自動車に乗ってる時は感知できない気配を悟って、交差する陸橋の下でカッパの上下を羽織る。当初は30度を越える温度なら塗れて走るほうがマシ。なんて言ってたけど、気温は24度。寒いくらいだ。
カッパを着ながら、LINEに書き込む。23:19、高速組みのメンバーはこれから寝るところらしい。明日10時、仙台で会おう。
雨の予感は大正解で、走り出すとスグに本降りの雨となった、道路も雨で反射して車線が見えにくい。
特にドイヒーなのは大型トラックだ、後ろから追い越そうものなら大きなタイヤから巻き上げる雨水でヘルメットの視界はたちまち遮断され、抜かさせようとすれば、水溜りで滝のようなシャワーを浴びせてくる。どうにもこうにもカブじゃ勝負にならないのでなるべく近寄らないように走行する、そうこうしてるうちに、ナイキエアマックスにも水が染み出した。
でも、ビックリしたのはカブの耐水性能、普通の雨くらいじゃ膝下は殆ど塗れずに走ることができる。こういうところはさすがカブだ。

宇都宮を順調に抜けて、矢板市に入る頃には、天気予報通り、雨は小康状態で落ち着きを見せてきた。
R4のガソリンスタンドは24時間営業のところも多々あって心配していないが、矢板付近で早めの給油、2.94L、燃費は53km/Lと、渋滞と全開にしてはまあまあだ。
ガソリンスタンドで気温をみると21度。雨も止み、路面も乾いて虫の声も聞こえ始めたんで、カッパを脱ごうとしたけど、気温的にこのままのほうがいいと判断して深夜の国道を飛ばす。

那須にはいると一段と気温が低くなった気がする、昼間は何度か走った道だけど、夜は真っ暗で景色が全く判らない。
信号待ちで、ヘルメットに仕込んだスピーカーで音楽を聴きだす、音楽って素晴らしい。
はっきりしない天気で、ちょびっつブルーな気分も一瞬で吹っ飛ばしてくれる。