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ヒトラー・コード

価格: ¥3,465
カテゴリ: 単行本
ブランド: 講談社
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間近でみた独裁者の顔。 ★★★★★
ヒトラー、スターリン、ムッソリーニ。3人は独裁者として悪名を馳せていますが、一方で演説の名手であったそうです。彼らは独裁者として君臨するまでは英雄の姿をしていたことを忘れないようにしたいと思いました。この本は、第2次大戦後「幻」と言われていたレポートです。スターリンは、軍事的対峙者であったヒトラーに極めて高い関心を持っていたそうで、それを受けて、ソ連はコードネーム「神話作戦」という国家プロジェクトとしてヒトラーの最後を文書にまとめました。その文書は、スターリンただ一人が目を通し、長い年月彼の蔵書に保管されていました。ヒトラーの側近2名をソ連は捕縛し、その告白を元に書かれています。割り引いておかなければならない点は、スターリンもヒトラー並みの粛清を行いましたので、ヒトラーのホロコーストには詳しく触れていません。それと、戦闘については独ソ戦が話のメインになっているということでしょう。また、ヒトラーへの批判的な言い回しがみられます。ヒトラーはそれこそ悪魔の化身か狂人のように描かれることが多いですが、この文書では、ヒトラーは冗談も言えば鼻歌も歌う人間であったということが描かれています。ヒトラーに心酔していた人はそれこそ大多数で、独裁者は自分だけの力量でそういう地位につけるわけではないでしょう。そして、追い詰められてゆくに従い、混乱し、薬物に救いを求めてゆきます。ヒトラーが独裁者として君臨できたのは、組織を競争下において上手くコントロールしたということが言えそうです。企業など社内で競争させられますが、そうなるほどに権力者はより強い権力を備えてゆくようです。スターリンは、次々と部下に裏切られてゆくことに興味を抱いていたようです。ナチス・ドイツは、国家というものの持つ危険な側面を歴史に教えたように思います。国家とはこういう道を辿ることがあるものだということを改めて学ぶ必要があると思いました。
推奨 ★★★★☆
ジャーナリストであったシャイラーの『第三帝国の興亡』も秀作だが、本書もヒトラーに興味をもつすべての人に推奨したい。ヒトラーの最後を見届けた警護官ギュンシェの言葉、「ヒトラーには戦って死ぬという気力も覚悟もなかった。つい先日まで、ドイツ軍将兵に、それどころか女、子供にまでそうせよと要求していたくせに。自分は地下壕の分厚い壁に守られ、運命の審判をできるだけ引き延ばそうと哀れなほどにもがいていた」(p.379)という記述が、独裁者ヒトラーの本質を突いていると思える。
ドキュメンタリー番組のようです ★★★★☆
 へんな感情移入の記述が皆無で、しかもヒトラー個人
の嗜好や言動が細かく描かれているので、最後まで飽き
ることなく読めます。事実を淡々と追っているさまは某
国国営放送のドキュメンタリーです(もちろん全てを鵜
呑みにするのは危険でしょう)。
 今後、何百年もその名が残ってしまうであろう独裁者
の姿を伝えるものとして、興味深くかつ稀有な一冊です。
命を賭けた編集!編集者の鑑! ★★★★★
これはめちゃくちゃ面白いです。しかも希有。なにしろ、想定読者はスターリン一人、間違ったこと書いたらシベリア送り、矛盾があったらシベリア送り、つまんなかったらシベリア送り…という強烈なプレッシャーの下で執筆されております。そして、この報告書を読んだスターリンは「ん、面白かった。ヒトラーはやっぱ死んだんだね」と納得したわけですから…いわば編集・NKVD、校了・スターリンなんですかね。希有なヒトラー伝なんです。

ともかく、編集者の鑑のような仕事です。隅から隅まで面白い。(ただし、序文とまえがきはつまらないので、飛ばして読むほうがいいです。ここを過ぎて1章になるといきなり面白いですから)。なにしろ、ナチ党高官、将軍たち…登場するのはヒトラーはじめ歴史のスターばかりですからね。面白くないわけがない。

個人的には、ヒトラーが主敵としてたのはソ連であって、英米は「言うこと聞かないけど基本的には同盟者」と思ってたらしいのが面白かった。ヒトラー目線で叙述した東部戦線はわかりやすいです。また、英米軍がノルマンディに上陸すると「やったー!味方が来たー。これで対ソ戦は勝利だな」とでも言いたげなヒトラーの様子には驚きます。

巻末には詳細な関係者人名事典もついています。これだけでも3000円超の価値。映画「ヒトラー 最期の12日間」をご覧になった方は共感というか理解できるところが多いでしょう。英米の戦争映画のイメージは覆ります。いやー、歴史ってほんと面白いですね。
地図が要りますね ★★★★☆
ほとんどの内容が二人の当事者の証言に基づくので、若干の認識誤りがあるとしても、ヒトラーに関する第一次資料と言っていいでしょう。
ただ、
1) 注が大量にありますが、原本の注、編者注、訳者注の区別がわかりにくい(というかほとんど編注のようです)
2) 東部戦線の地名が沢山出てきますので、「独ソ戦全史」等の地図が手元に必須
3) 「編者あとがき」にもありますが、スターリンの嗜好に合わせているので、かなりバイアスがかかっております