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大地の咆哮 元上海総領事が見た中国

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: PHP研究所
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中国にODAをもっと出せと力説するトンデモ日本の外交官 ★★★★★
期待はずれ。
同じ外交官が書いたものでも、ラルフ・タウンゼントの「中国の真実」とは大違いで、全然物足りなかった。


中国で長く外交官をした著者が死ぬ間際に本音を書いた本。
きっと心の優しい人なんでしょう。
周囲の同僚に遠慮したせいか「こんな気持ちで勤めてます」みたいな理想や、きれいごとが多い。
しかも、あれだけ話題になった中国藩陽大使館かけこみ事件について一言も書いていない。
「事なかれ主義の外務省」とか「緊張感がない」とか書けばよかったのに。

その上、彼の歴史認識についてもがっかりさせられた。
南京大虐殺はなかったことだし、侵略だって当時の価値観では当たり前のことだ。
しかも、欧米型侵略に比べてありえないほど親切で優しいものだった。
それなのに中国人から「日本人は反省しない」とつっこまれた時に、「20数回もあやまっている」と反論する。
そもそも謝る必要がないのに謝ったことで問題が大きくなっているのに、そこから説明しないところがだめだ。
結局、外交官ですら東京裁判史観・自虐史観から抜けていないことがわかって心底がっかりした。

また、彼は貧しい農民を救うためにまだまだODAが必要だと力説する。
ODAが呼び水になり、中国自身のお金の使い方が変わるからだと言う。
中国人の良心に期待するなんてバカだ。
「貧しい農民の方は日本人に任せときゃいいや、それで余裕が出た金でますます軍事費にまわそう、政治力つけるためにアフリカにお金を流そう」ってなるにきまってる。
数十年中国にいたくせに肝心なところを見抜けていない。
中国共産党が日本からODAを引き出す時「まだまだ中国は貧しい人達がいるので」と弱いフリして言い訳するのを本気で信じるのでしょうか。 馬鹿ですね。
外貨準備高世界一なのに発展途上国だと言うのか。
貧しい国が宇宙開発をするのか。

そういう甘い日本のおかげで中国がいつまでたっても民主化できず、社会主義だというのに資本主義以上の格差が広がっているんだということが何故わからんのだ…
もういっさい中国に金を払うな!

目の前に貧しい人がいれば救いたくなるその気持ちはわかる。
しかし今までの善意はすべて仇で返されてきたのだ。
環境に対するODAもすべて焼け石に水だった。

かつて、インフラ整備したり病院作った時も、
後になって侵略と呼ばれたことを忘れたのか?

中国に対しては心を鬼にしてほっとけばよろしい。
自助努力しろ。
外務官僚とはかくも大アマなのか ★★★☆☆
著者の誠実な人柄をしのばせる良書とは思う。論点もよく整理されている。しかし、大げさな題名(例によって出版社の勝手な命名だろうが)ほどには新鮮な発見にとぼしいし外務省の代弁としか取りようのない官僚的な論調にとどまっている。死を覚悟していても、やはり何か外交官として抑制するものがあったのではと残念だ。

それでも、当事者ならではの記述に本人の意図とは違うかもしれないが教えられたことも多い。

*ODAに関しての贈与要素(GE=Grant Element)。
あくまでも、80年代までの国交回復後の対中外交政策の解説に過ぎない
しかし中国の対日感情や今目の前にある対中ODA見直し論の反論たり得ない

*胡耀邦の親日ぶりと彼を擁護するために靖国参拝中止の歴史的国辱的妥協をはかった中曽根政権と当時の外務官僚の甘さ
靖国公式参拝にあたってA級戦犯合祀についての事前のチェックを怠ったことと、政治的に末期的段階に入っていた胡耀邦を擁護するために国益を犠牲にした錯誤

*台湾外交の舞台裏で指摘されている、台湾国民党筋(と外省系資本の財界)が大陸側と通じており、かなり詳細な情報(日台双方の代表人選等)が漏洩していた事実

*ODAの「要請主義」とそれにまつわる政策的錯誤や新興利権政治(例えば鈴木宗男)の構造

*反日デモの裏の「打ち方はじめ」「打ち方やめ」的官製デモの実情や最近の管制能力喪失の問題

*靖国問題。外務官僚側の自己弁護的論理の撹乱にぬぐえない不信を感じつつも「A級戦犯合祀」が日中関係における最大の「靖国問題」との率直な指摘

日中関係の問題点と今後の両国関係を総合的に理解するための良書 ★★★★★
昨今の軍事力増強と、経済的発展に伴い、中国が世界に及ぼす影響力はかつてなく増している。その中国とどのように対峙してきたのか、またこれからどのように接していけばよいのか、そのような視点から日本の対中政策の実情を記した外務官僚の著書である。

現場で戦ってきた総領事の言葉は、現実みがありとても重いものだ。また、日本政府がその時々に取ってきた対中政策の内情が同時に吐露されており、現場の苦労と苦悩が伝わってくる。

著書の中で作者は、中国農民が現在おかれている状況は、現在の中国の経済的実力からして正義と道徳の基準を逸脱している。と指摘する。

この度合いは常識を超えたもので農民の不満や不平等感は限界点近くに達しているという。胡錦涛政権はこれに気がつき、必死になって変えようとしているが、中国の歴史的風土に組み込まれてしまっている末端の行政機構の腐敗・汚職は目を覆うばかりのものであるという。

中国の安定は、環境のみならず日本の安全保障にとっても不可避的に重要なのはいうまでもない。地理的に遠隔の国であれば、何ら放任でも直接的被害が及ぶことは少ないだろうが、地政学的に否が応でも日本は影響を被るのだ。『わが国のための対中援助』をせざるを得ない状況がここにあると、30年以上中国と関わってきた筆者は語る。

時に中国に対する日本政府の対応が弱腰であったり、媚びを含むものに見えたりして、国民にとっては歯がゆい思いをすることが多いが、この書籍をよめばその歯がゆさと何故そのような状況に陥ってしまったのかが、多少なりとも実感として理解され、現場は現場で苦労をしているのだなとおもわされる。

日中関係の問題点と今後の両国関係を総合的に理解するための良書といえるだろう。『わが国のために、対中援助をせざるを得ない状況』著者のこの提言は果たして有効だろうか。

日本人の一人として、考えるべき問いかけであると思う。
題名はやや大げさだが・・・ ★★★★☆
この本が出版されて一年、近頃では随分と手軽に
現代中国情勢に関する情報が手に入るようになった。

とはいえ、本書の中国に対する包括的な見方が無効になったわけではなく、
また、ただの情報羅列に過ぎない凡百の類書に比し
決して劣後しているわけでもない。

題名はやや大げさだが、昔から大陸にかかわりを持つ著者の
長い経験に裏打ちされた主張には強い説得力がある。
氏の早逝が惜しまれてならない。


強大なる中国の可能性と脆弱性 ★★★★☆
副題:元上海総領事が見た中国

キャリア外交官が死を直前にして書き綴った中国への想い、そして今後の日中問題解決への糸口。
農民と都市部での戸籍の違い、農村部と都市部での大きな経済・教育・医療格差。社会主義と資本主義の間で揺れ動く政治。中国抜きでは語れない今後のアジア、世界情勢。
内的問題(経済格差等)を外的問題(反日)にすり替えざるを得ない中国の現状をチャイナスクールキャリアーとして長期にわたり中国と関わりを持ち、歴史的文化的考察から綴っている。靖国問題も中国側とすれば、戦後賠償放棄の背景から決してウヤムヤには出来ない理由もわかる。また日本の対中国ODAも決して無駄ではないと説く。特に大使館決済で行なう事が出来る「草の根無償」資金によるきめ細かい援助(学校建設等)は確かに最終的には日本の国益に繋がっていると感じる。
中国の評価を決して少ないフィルターを通して見てはいけないと感じた書であった。杉本氏はこの本の出版後、治療の甲斐なくガンでお亡くなりになられた。昭和24年生まれ。