平安の貴族や庶民の料理から、精進料理、京料理、本膳料理、懐石料理などの成立について、さらに、茶の湯や菓子についても、大まかな流れがわかります。どちらかというと、このような料理の形式の成立について力点が置かれていますので、例えば寿司の歴史とか、みその歴史とか、そいう個別の話を知りたければ、ほかの本が必要です。
大まかな歴史ですが、よくまとまっていると思いました。

　私が料理に関する知識を得たいときに常々思っているのは、
こまごました細部ではなく全体を大づかみにして構造的に
把握できるような書がほしいということです。
　日本料理に大変興味があるので本書を手にとりましたが、
本書はこの意味で不必要に細部なり事物を列挙するのではな
いため、大変わかりやすく、日本料理の流れの概要について
一定の理解を得ることができました。