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遠いうねり―グイン・サーガ〈127〉 (ハヤカワ文庫JA)

価格: ¥609
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:栗本薫/著 出版社名:早川書房 シリーズ名:ハヤカワ文庫 JA 957 グイン・サーガ 127 発行年月:2009年06月 関連キーワード:トオイ ウネリ ハヤカワ ブンコ ジエ-エ- 957 グイン サ-ガ 127 とおい うねり はやかわ ぶんこ じえ-え- 957 ぐいん さ-が 127、 ハヤカワ シヨボウ ハヤカワシヨボウ 6942 はやかわ しよぼう はやかわしよぼう 6942、 ハヤカワ シヨボウ ハヤカワシヨボウ 6942 はやかわ しよぼう はやかわしよぼう 6942 ゴーラ王イシュトヴァーンは、わずかな兵を率いてクリスタルを訪れ、リンダに結婚を迫った。リンダは、すでにアル・ディーンとの婚約が成立しているとしてイシュトヴァーンの要求を退けるが、彼はしばらくクリスタルに滞在することになる。さらにイシュトヴァーンは、フロリーとその息子の居場所をヴァレリウスから聞き出そうとする。ヴァレリウスは密かに対応策
異形の日本の中で、ついに、帰ってきたグインサーガ! ★★★★★
やはりというか、栗本薫の真骨頂は弱い者とそれを守る騎士との辺境への冒険に尽きると改めて感じさせられた本巻です。
正直、私はここ数十巻を飛ばしてますが、全然大丈夫です。
かつて、双子とグイン、マリウスとグイン等で繰り返され来た同じパターンですが、やっぱり面白いものはしょうがない。
ヤガに近づくにつれて、まるで見ているがごとく、体験しているがごとくの情景描写も栗本薫の最も得意としているところではないでしょうか。
ただ、さすがに、病魔が襲ってきているのか、ヤガに近づくにつれての描写が描き切れていない気もしなくはないです。
かつて、グインがユラニアを攻めた時程の迫力は感じられません(戦争するわけではないから当たり前ですが)。

あとがきも良いを通り越して、すばらしい時代感覚をずばっと書いています。
1999年でこの世は一回終わったんじゃないか?
小泉改革、リーマン危機、民主党政権成立(まるで、ロシア革命?まるで、ポルポト政権樹立?と見まがうファシストの芽が感じられるのは私だけでしょうか???)と、たたみ込むように狂い始めた日本をヤガの変貌と重ねて見ていたのではないでしょうか?その感覚はするどく、正しい。
そして、もうそういうのを考えたくもない心情というのもよく理解できます。
(もしかしたら、栗本薫は、もう十分に生きた、これ以上はいいと思っていたのかも。あとは、桃源郷のような天国で好きな事をして暮らしたいと思っていたのかもしれません)

もし栗本薫が生きていれば、急速にヤガ化していく日本の中で、どう感じ、生きて行ったのか?と我々は何度も何度も思い起こすことになるのではないかと思いました。
死は必ずやってくる ★★☆☆☆
グインサーガは読んでも読んでも話が進まず、ここ1年くらいは全然読まなくなっていました。
つい最近読んでみて、ああ、やはり進まない、ようやく「7人の魔導師」に、最初にたどり着いたのか、それでも進まない。
と、思ったところに、このレビューを読んで、作者の死を知りました。

私が最初にグインサーガを読んだのは中学2年生、14才のとき。
表紙の絵に惹かれて第一巻の最新刊を買いました。話が非常に面白く、キャラクターも魅力的で、話を紡ぎ上げる作者の知謀に舌を巻きつつずっと30年近くも読んでいました。
私は20代終わりまで、自分は33才か34才で死ぬと思いこんでいて、自分が生きているうちに、100巻完結するのだろうか、私は最後まで読めるのだろうかというのが、それだけが心残りというか心配でした。

作者が年に2冊も出さない時期が続いた時には、いったい、いつ完結させる気なのかと作者を疑ったものですが、栗本氏は乳ガンの宣告を受けてからは、年6冊ペースで書き続けていらして、ああ、やはりグインサーガを一番大切に思っておられるんだとほっと安心、自分が34才を超えて長生きしそうな自信ができた時には、これで完結まで読めそうだと思ったのでした。

しかし、結局、栗本氏の死去によって、完結まで読めなかったのですね。

人は何時までも長生きするものではない、もしやるべきこと、ライフワークがはっきりしているならば、それに正面から向かって、精一杯してほしい、と、才能もあって人からも認められる仕事をしている方には強くいいたいです。

私は栗本氏、田中芳樹氏、前田珠子氏、吉原恵理子氏、と好きな作家がいますが、みなさん、作品を完結させない、そして10年前くらいまではすごくすばらしい作品を書いているのに最近は面白くない、シリーズ作品の間が1年以上あく、という同じ特徴を持っています。
茅田砂胡氏も大好きで、この方はきちんとシリーズを出していますが、こちらも最近はマンネリ気味で質がおちつつあるような気がしています。

ファンタジー小説の時代が終わりつつあるんでしょうか。

新しいすばらしい作家がどんどん出てくるのを楽しみにしています。







新展開・・・ですが ★★★★☆
訃報後に刊行された一冊。

読む方も身が引き締まります。
最も、近代国家像に近いミロク教の国の出現は、
この物語にどんな波紋を広げるのだろうと、非常に期待感をもたせます。

期待感と、どこまで物語が進んでくれるのか?という不安から、
1日で一気に読んでしまいました。
グインはこれでよかったのかも ★★☆☆☆
 作者逝去後に出た初の巻です。グイン・サーガが完結しないことを知って読む初めての巻です。ヨナやスカールがミロク教の聖地ヤガに入ります。いよいよミロク教の謎が明らかになろうとしています。そして、ふたたび風呂敷を拡げています。
 グインに完結してほしかったです。しかし、グイン・サーガとは絶え間なく語られる「サーガ」であり、結論ではなくそのときそのときの流れを味わえばそれでいい物語なのかもしれません。本当は、作者もグインが完結する日なんて想像できてなかったんじゃないのかな、とすら思います。
ヨナも知らないミロクの世界 ★★★★☆
『遠いうねり―グイン・サーガ〈127〉』です。作者没後に刊行された最初の巻です。
作者死去という感傷を抜きに評価しても、この巻は最近の中では良かったと思います。

ヨナが旅をして観光案内の巻があったり、ヴァレリウスが延々と懊悩する巻があったりして退屈に感じた、という反省があったのかどうか、この巻は前半がパロ編。後半がヨナ編です。両編ともに、変化、進展があります。

パロ編では、サイロンの情報が色々ともたらされます。そこで、外伝第一巻の『七人の魔道師』に追いついたことが明示されます。
イシュトヴァーンが新たな動きを起こそう、というヒキで終わるのはいつものパターンですが、今回は半分の分量でヒキにたどりついているので、スピード感は最近の二倍です。
後半ヨナ編は、物語の焦点となりつつあるヤガです。
ヤガ観光案内要素ももちろんそれなりにあるのですが、読者にとっては初めて聞かされる情報が次々と出てきて、ヨナとスカール異色コンビの旅は明らかに冒険行の色合いを濃くします。
残り数冊、読者としても最後まで楽しみたいところです。