【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:蟻塚亮二/著 上野玲/著 出版社名:集英社 発行年月:2009年06月 関連キーワード:ゴカイダラケ ノ ウツチリヨウ ごかいだらけ の うつちりよう、 シユウエイシヤ 3041 しゆうえいしや 3041、 シユウエイシヤ 3041 しゆうえいしや 3041 医師も知らなかった、うつ病の本当の治し方。うつ病になった経験のある医師と、うつ患者で、10年以上うつに関する取材・執筆を続けているライターが、現代日本のうつ治療は嘘だらけだと問題提起。新しい「うつとの向き合い方」を提案する。 プロローグ第1章 精神科医に頼るだけでは、うつ病は治らない第2章 抗うつ薬だけでは、うつ病は治らない第3章 うつ病患者だって、働いていい第4章 治療は病院の外でするもの第5章 うつは「克服しよう」と思わないほうがいい第6章 うつだからこそ、よりよく生きることができるエピローグ
本質的です
★★★★★
精神医療を目指す学生です。自身も、数年にわたり教育分析を受けながら、100万人レべルで短期間に増加したとされる、「うつ」と診断され苦しむ人々の現実について考察してきました。
著者が説かれている内容は、21世紀初頭からのキャンペーンで積極的に訴えられてきたステレオタイプの解釈よりも、率直に人間性の本質に立ち返った非常に腑に落ちる捉え方であると感じました。
人の心が癒えるにも成長するにもマジックはない。現象を全てその人の心の問題に還元してしまうことも、環境因、社会因を無視して単純にしすぎる。しかし、人が人生を営む上での抑うつに、「疾患」というラベルを容易につけて、薬を十分な期間飲めば"治る"という解釈も、人が経験により、苦しみ成長しながら生きてゆく存在であるという面を軽視しすぎているように思います。確かに時代は変わり、我々の生活は非常に複雑な様相を呈しており、ストレスも多岐にわたっていますが、人間の営みの本質・その苦しみが、昔からある種変わらず脈々と続いていることも事実でしょう。
短期間に統計として計上された疾患としての100万人という数字を解釈するとき、純粋に患者自身の病的要因以外にも、何がしかの他の「要因」があると考える方が自然です。それは、患者として診断を下す医療の現状のよるものなのか、環境因なのか、その他のものなのか、それらを今こそ冷静に分析・判断する必要があると思います。
大きな問題は、苦しみを緩和する、または別の視点を与えてくれる多角的な状態の見方をすることが、苦しみの真っ只中にある患者さん自身のみでは非常に難しいにもかかわらず、それらの十分な情報が医療側から提供されてはいないということです。このような現況で、医療制度内にいながら、蟻塚先生がご自身の考えを正直に書かれていることは、非常に勇気あることだと強い感銘を受けました。
暗中模索のうつ治療の実態。抗うつ薬よりカウンセリングな本
★★★★★
前向きな言葉やタイトルが散りばめられた良書と思います。
・うつとは、一生懸命生きること。
・うつ患者が日本を救う
・うつは、人生を変えるためのチャンス
・自殺したくなったら「トンズラの勧め」
こんな言葉で励まされる方もいるのではないでしょうか。
患者が誤解しているのではない、国や医者が誤解させているのだ。
★★★★☆
精神科医である蟻塚亮二先生は、もともとうつ病患者でもある。その蟻塚先生に対して、うつに関する取材を続けるジャーナリストの上野玲氏が行った取材をもとに書かれた著書である。
全般的に、「うつ病」というものを「心の風邪」と軽く見ているうつ病を知らない人・知ろうとしない人、または本気で「うつ病は抗うつ剤を飲めば治るものだ」と信じきっている心療内科医・精神科医には読んで欲しい内容である。いや、「うつ病は心の風邪」と思っている人、「自分の投薬治療の方針は正しい」と確信している医者にはこの本だけでは弱いかもしれない。
タイトルの「誤解だらけ」のという部分、私は誤解というよりも心療内科医や精神科医の知識不足・カウンセリング力不足、および国としての医療報酬等のあり方や認識の誤りだと思う。また、製薬会社や国の「悪」の部分だと思う。決して患者は誤解しているのではなく、うつ病患者が信用せざるを得ない心療内科医や精神科医のアドバイスを鵜呑みせざるを得ない状態なのである。
1つの例として抗うつ剤として良く使用されるパキシルという薬を挙げる。この薬は副作用が非常に強い。目に見える吐き気や頭痛などは副作用として表に出すものの、性機能障害や新生児の奇形発生率などは国や製薬会社として認識しているものの表に出さない。医者としてはパキシルは儲かる薬のためガンガン処方する。処方してもらうために製薬会社が医者に対して過剰な接待なども行う。このような官と製薬会社と医者との関係があるのです。
このような情報を知っていても、うつ病患者である人は心療内科医や精神科医に、そんなことは言えるでしょうか。言われるがままに飲み続ける必要があるのです。(しかもパキシルは勝手にやめると離脱症状があるので勝手にやめることができないのです)
心療内科医や精神科医などの医者・国が本当にうつ病患者のことを考えて、取り組んでいく必要があると思います。
最悪期を脱した方向けの本
★★★★☆
面白くて最後まで一気にいけました.但しこの本の内容は重篤な症状や完全にエネルギーが切れてしまった状態の人が読む本ではないと思います.どちらかというと「なんとなく治ってきて少し動けるようになったんだけど,何となく回復しない」方向けのものです.
「精神科に頼るだけでは,うつ病は治らない」とか「抗うつ薬だけでは,うつ病は治らない」等の,過激なセクションタイトルが続きますが,内容はちゃんと読めばなるほどと納得できる内容.
ただ構成が,ある命題に対して精神科医と患者さん代表(上野さん)の意見を述べ合うという形式だったため,「結局のところ,何をすればよいの?」というのがわかりにくかった点が惜しまれます.セクションの終わり毎にまとめ〜みたいなページを入れたら分かりやすくなったかもしれません.
それにしても蟻塚先生がオリンピックの水泳強化選手だったとは驚きでした@@.水泳の日本代表候補から精神科医になって,そしてご自身がうつ,がんを患って,そして生活の地を青森から沖縄に移して・・・なんて,なんと波乱万丈な人生なんでしょう.
最悪!!読んではいけません!
★☆☆☆☆
ほかの方も書いていらっしゃいましたが、「期待はずれ」以上に、犯罪的な本だと思いました。著者お2人ともうつを患っている、というのがうたい文句のひとつなのでしょうが、うつには「100人いれば100のパターンがある」と書いておきながら、今のうつ治療を「誤っている」と記しています。ではどうしたらよいのか、という点においては、あれこれ述べていらっしゃいますが、漠としすぎていて、全然ピンときません。私自身、うつを患い、山のように本を読み、勉強もしましたが、これほどひどく傷ついた本は初めてです。この本を読むと、路頭に迷います。死にたくなります。自分が甘えているからうつが治らないのであり、社会復帰しなくては廃人になるような気さえしてしまいます。死にたくなかったら、この本は絶対に読まないでください。本当に怒っています。星はゼロにしたかったのですが、それだとレビューに書き込めない仕組みのようなので、不本意ながら1としました。