【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:中村明日美子/著 出版社名:太田出版 シリーズ名:F×COMICS 発行年月:2003年05月 関連キーワード:コペルニクス ノ コキユウ 2 エフ コミツクス F:COMICS こぺるにくす の こきゆう 2 えふ こみつくす F:COMICS、 オオタ シユツパン オオタシユツパン 0840 おおた しゆつぱん おおたしゆつぱん 0840、 オオタ シユツパン オオタシユツパン 0840 おおた しゆつぱん おおたしゆつぱん 0840
なかなか
★★★☆☆
「Jの総て」「ばら色の頬のころ」と読み、中村さんの漫画に興味をもちました。
BLというジャンルの中に留まらせておくのが勿体ないくらい表現力のある漫画家さんのように思います。
性器の表現がリアルなのですが、細い線で流れるような曲線が美しく
素敵なアート本を見ているようです。
「コペルニクスの呼吸」は少年が青年に、そして大人へと段階を踏む途中で
゛死゛の鎖に捕らえられてまってしまった主人公のアイデンティティーが確立するまでのお話。
サーカスという設定は面白いのですが、心情の表現がいまいち拙いように思います。
ただ美しいだけだった。
私としては「ばら色の頬のころ」が一番物語の出来は良いと思います。
余談ですが、中村さんの作風や絵がお好きなら
人形師:天野可淡の写真集なんかもお好きかと思うので良かっらどうぞ。
サーカスを愛する全ての生き物へ
★★★★★
一巻で見せた物語の重厚感を失わないまま、めくるめく二巻へ。そして期待を裏切るかのような現実的なハッピーエンド。
作者はあくまで当時のまだ淫猥な雰囲気を帯びたどこかまがまがしいサーカスから現代的な芸術性の高いサーカスへと変貌していく様を、トリノスと言う青年を通して描きたかったのではないか。その意味では非常によく出来た構成と画力であると思う。
ただ、個人的にはオオナギに拘束されたトリノスが最高に美しいと思う。それ故裏切られたと感じる程のハッピーエンドではあった。
悔しいのは、それを差し引いても★5以外の評価をつける気にならないことだ。
どうしてこうなるの!?
★★★★★
どうしてレオは…
どうして…
主人公トリノスのハッピーエンドが何だか切ない
美しいからこそ切ないのです
一巻から、時代が一気に変わり、サーカスの事情やファッションも驚く程変化します
時代の流れを忠実に再現しているのでしょう。
一見、トリノスは自己チューでどうしようもないビョーキ野郎なのですが、
一人の美少年が思春期から大人に変わるサイコな時間を美しくも忠実に再現しているのではないでしょうか。
唯一、レオが捨て駒なのが気に入りません(笑)
レオは最後までトリノスや私の憧れでした…
死を超える
★★★★★
死と隣り合わせのサーカス そんなサーカスから逃げたトリノスだったが
結局 そんなサーカスが忘れられない
死を受け入れ、恐れない、そして表現する者への憧れ 強い思い
確かに特殊な世界だと思う。知ってしまったら離れなくなりそう。
ジャン・ジュネの「綱渡り芸人」(『アルベルトジャコメッティのアトリエ』収録)を思い出す。
若ければ普通は死を思うなんてことはない、寧ろ死ぬなんて思いもよらない。
だがそこは酷く退屈な緩い世界・・・トリノスはそう感じたのではないでしょうか。
「同級生」(実にさわやかな)の方を先に読んだので、こんなのも書くんだと思いました。
素晴らしい作家さんです。絵がとても素敵。どのコマも魅せられます・・溜め息
アソコの描写が肉感的なのも良かったです。(スイマセン..
全員病気
★★★★★
こういう病みきった話が成立する場はパリしかない。猥雑さもあくまでスノッブである。ここにおいてはエロスこそが自我なのである。あたしはトリノスは嫌いだ。ずるいと思う。甘えてると思う。偶像化された美少年はファムファタルよりよほど質が悪い。かれらは苦悩するからである。最終的にトリノスは救済されるのだ。ズルイ。男の子ってほんとにズルイ。こんなに病気な物語はこのくらい美しい絵でなければ成立しない。美しいからこそますます闇は深まるのであろう。