『悟り』と聞いて、あなたはどういうイメージを思い浮かべるでしょう？




多くの人は、これを、常人には手の届かない高尚なもの、というイメージでとらえてしまうのではないでしょうか？

ですが、僕の考えは違います。『悟り』とは、人間が人間らしく生きること、本来の自分を知り、人間としての幸福な人生を追求する上で、誰もが通る道だと考えています。『悟り』とは、この世の真理、自然の摂理というものを知ること、そして『差を取ること』とも表現できます。『差』とは、自他の分離、自我の習性である分離意識によって生まれるものです。分離意識から解放されたとき、人は自然の一部であることに立ち返り、この世界との調和の感覚を取り戻すのです。


近年、シリコンバレーのIT系の技術者たちの間で仏教の思想がもてはやされるようになってきていますが、僕自身、この傾向を感覚的に実感しています。インターネットというもの自体、人々の意識と意識がつながる、ある種の『集合意識』のような空間だととらえたとき、仏教の哲学が、現代のIT技術の革新によってつながった世界を理解するのに、とても有用で役に立つものだと感じます。

また、僕自身、引き寄せの法則や思考の現実化など、西欧由来の成功哲学を中心に学んでいたときには理解できなかった、『人生における幸福や成功の本質』や『意識の世界の想像が現実世界での創造につながるメカニズム』といったことが、仏教思想における唯識学や、縁起と空の概念、『悟りの境地』というものを理解することで、紐解けた経験があります。


　本書では、哲学的で実用的でない机上の理論ではなく、現実を創造していく上で、人生における幸福や成功というものを実現するための実用的な学問という観点で、仏教哲学の中で語られていることを解説していきます。また、現代日本で信仰されている仏教ではなく、お釈迦さまが語った言葉や、初期仏教の考え方の中から、僕自身が人生の境遇を変えるのに、実際に役立ったことを中心に語っていきます。


あなたの人生の境遇を変えることに役立てることができたならうれしく思います。





目次

第１章　お釈迦さまの成功哲学

因果の道理
偶像崇拝と唯我独尊
縁起と空の理論
ゲシュタルトと現実化
無自覚が偶然という幻想を生む
意味も理由も原因もなくていい
自覚的に生きること
空観の先にある世界

第２章　悟りの世界観

自分の幸せ、他人の幸せ
分離意識のワナ
世界を変えるエネルギー
偶然、運命という幻想
時代は『癒し』から『悟り』へ
『すべては必然』の意味すること
真理に到る道は一つではない
悟りの道に答えはない
あるがままに生きること

第３章　意識の可能性

ひらめきのメカニズム
無限のリソースと学び
思考の限界を知る
未完成な世界を楽しむ
現実とは結果の積み重ね
決意とは思考を決めることではない
問題の原因は過去にはない
意識が無限である証拠
望ましい情報（知識）を選ぶこと


さらに学びを深めたい方に
あとがき
◆著者紹介
◆左脳系スピリチュアルとは