本書では、投資家がハマってしまいがちな心理的罠の数々について書いてあります。

　この心理的罠に関しては、行動ファイナンス理論というものをもとにしています。

　行動ファイナンス理論というのは、従来の経済理論では軽視されていた、人間の心理・感情的な側面に重きを置いた経済理論のことです。

　そこでは、私たちの意思決定というのは必ずしも合理的なものではなく、感情によって大きな影響を受けてしまうものだとされています。

　もちろん、これは何も投資に限った話ではありません。

　本書を読んでいただければ分かりますが、日常生活・社会生活の中にも私たちが陥ってしまいがちな心理的罠というのは数多く見受けられます。

　ただ、そうした心理的罠というのは、人間の心理的特性について知らなければ、なかなか気づけるものではありません。

　しかし逆に言えば、それを知ることで何らかの心理的罠を避けることが出来たり、心理的罠に対する対策を立てることが出来たりするのです。

　そして本書を読むことで、人間の心理的特性についての理解を深めることができるはずです。

　また本書では、ある物事に対して評価・判断をしたり、何か行動を起こしたりする際に指針となるような考え方についても触れています。

　こうした考え方というのは、人間の心理的特性とともに、人生全般に通じるものであると言っても過言ではありません。
　
　本書が投資での成功はもちろん、人生をより良いものにする一助となれば、これに勝る喜びはありません。

【目次】
【はじめに】
【第一章】プロスペクト理論
１．価値関数
２．確率加重関数
【第二章】アンカリング効果
１．投資におけるアンカリング効果とその具体例
２．アンカリングへの対応策
【第三章】ギャンブラーの誤謬
１．ギャンブラーの誤謬と大数の法則
２．ギャンブラーの誤謬の誤謬
３．ギャンブラーの誤謬とミーン・リバージョン
【第四章】生存者バイアス
１．生存者バイアス
２．投資の本質と一極二元論の考え方
【第五章】バブル
１．バブルとは？
２．バブルとはどのように形成されるのか？
３．投資をしない勇気
４．不安や恐れから行動しない
【おわりに】
【著者略歴】