ロンドン発の列車の座席でふと目をさましたミセス・マギリカディは窓から見えた風景に、あっと驚いた。並んで走る別の列車の中で、いままさに背中を見せた男が女を締め殺すところだったのだ…鉄道当局も、警察も本気にはしなかったが、好奇心旺盛なミス・マープルだけは別だった！シリーズ代表作、新訳で登場。　◆◇◆自分の乗る列車の窓から向かい側の列車で行われていた殺人事件を目撃してしまうという、幕開けからスリリングな展開で、読者をグッと作品の中に引き込む力を持っています。ミス・マープルの手足となって物語を解決に導いていくルーシーの存在が、割とおとなしめなイメージのマープルものをとても活動的なものに変えています。彼女を取り巻く恋愛模様なども面白く、最後までページをめくる手を緩めることができませんでした。

またもや列車ミステリーです。これは、始めに○○をみてから調査を行うという、ちょっと異例な物語構成？

カリスマ家政婦ルーシーアイルズバロウが大活躍です。ミス・マープルは彼女に安心して事件捜査をまかせてますが、友人に言われて捜査を開始するところなんかやっぱりかなり活動的。ミス・アイルズバロウが次々と男性陣に言い寄られるのもおもしろいし、ミス・マープル抜きにしてもかなり楽しめる作品だと思います。そして単純なのに、それに気づくのが難しい、そんなジリジリする雰囲気も味わってください。ミス・マープルは犯罪心理だけでなく乙女（？）の心理も熟知しているといったところでしょうか。ところで砒素といえばカレーに入れるものと相場が決まっているんでしょうか？

アガサの事件は日常生活のふとしたすき間に起こる♪家族の世界が多いですよぉ～♪Ｒｅｐｌａｙして、よーく考えようね♪