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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
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「40連隊に戦闘技術の負けはない」に続く第2弾!! 「40連隊の見えない戦士達」

あぁ、ついに書いてしまったのか―――。二見龍氏が描く陸上自衛隊第40連隊の関連本・第二弾を読み終えて、まずそう感じました。
第一作の「40連隊に戦闘技術の負けはない」の前書きに、私は「これは、強い部隊になりたいと願った隊員たちの成長物語である」という趣旨のことを書きました。陸自がイラク・サマーワという「戦地」に向かう前、「ホンモノ」を求める隊員たちが、リアルに「戦闘技術」を身につける様子を克明に描いていたからです。作品は自費出版という形をとって世に出されたわけですが、全国の陸自隊員のみならず、一般の読者にも支持されて増刷されたと聞いています。電子書籍版のほうも、なかなかの売り上げだということも。それだけ、従来の「自衛隊もの」にはない魅力が、前作にはあったということでしょう。
しかし同時に、私は「あれが限界だろうな」とも感じていました。
自衛隊という上意下達の、伝統墨守の、変化を望まない「組織文化」を、かなり踏み越えた物語だったから。当時の40連隊の隊員たちは、本当に戦闘技術の向上を目指し、それを身に着け、事実、他の部隊に負けなかった。しかし、それは自衛隊という組織が頑なに守って来た文化を破壊しかねない力を孕んでいました。たとえば、階級に関係なく、スキルが上の者が教育する側に回るシステムなど。それはリアルを追い求める現場の部隊には必然ではあっても、10万人以上がいる巨大組織ではあってならなかった。ですから、確認したわけではありませんが、40連隊の変容や功績は、陸自の「正史」には記録されていないはずです。
一作目で、二見氏は実は、正史に残らない「真実」を、勇気をもって残した。だから、あれが限界のはずでした。
 ところが、二見氏は「次」を書いてしまったのです。まるで、なにか人智を超えたものに憑りつかれたかのように。
 一作目に登場する「先生」は、フォトグラファーであり、ガン・インストラクターであるナガタ・イチロー氏でした。イチロー氏は銃口管理をはじめ戦場に立つものが身につけておかねばならない基礎を、徹底的に教え込みました。それは部隊にとっては、パソコンでいう「フォーマット」の部分だったといっていいでしょう。イチローさんは、40連隊のみならず、全国各地の陸自部隊を回って、自衛隊が真に戦闘部隊となるためのフォーマットを叩き込んだ。すると、「強くなりたい」と思っている若い隊員たちは、「もっと、もっと」と求め、新しい「ソフト」が必要となった。そこで第二作目に新しく先生として登場するのが、S氏だったのでしょう。
 S氏が隊員たちに伝授した「スカウト」の技術の詳細については、本書をお読みいただきたいと思います。私もS氏には短時間ですが会ったことはあります。本文で書かれているように、物腰は柔らかくても、「必殺のオーラ」を漂わせている人物であります。戦闘というものの本質を、直に体験を通して学んできたのだということが、あった瞬間に伝わってきました。 S氏と過ごし、そのスキルに触れ、生き方に接して、隊員たちはまたさらに、成長していったのは確実であります。
 私には、もう二見氏は止められないと感じます。「その次」も、さらに「そのまた次」も、つまり第三弾、四弾も、書いていくのだという気がしています。もちろん敵対する勢力にこちらの情報を与えることはしないはずですから、「秘」の部分を明らかにしないのは当然でしょう。だけど、それ以外の部分では、巨大組織に「配慮」することはせずに、ただひたすら、「強い部隊をつくるにはどうすればいいのか」「若い人たちのモチベーションをあげるにはこうしてみてはどうか」などを、二見氏は思いつくまま書いてゆき、発信し続けるのではないかという気がしています。
 全国には、「強くなりたい」という思いを抱え続けている隊員たちがいるのでしょう。そうした若い魂のために、彼らの心に火をつけるために、二見氏はこれからも書き続ける。
 もう誰も、二見氏を止めることはできなくなりました。

毎日新聞社会部 編集委員 滝野隆浩


目次

はじめに
スカウト・インストラクターとの出会い
 順風満帆な40連隊の焦り
 目に現れる輝きを失わせてはならない
 部隊・隊員が成長すると目標設定が難しくなる
 強い部隊作りのポイントは、常に前進させること
 運命の女神から送られてきたカード
 ライオンに狩られた獲物
 死ぬなと感じる殺気
 ナイフは3本身に付ける
 格闘よりも得意とする戦闘技術『スカウト』
40連隊を導く次の使者 実戦に限りなく特化した戦闘員
 つや消し迷彩で動物の毛が生えているブーツ
 自然に溶け込む服
 危険となるものを排除していくスカウトスーツ
 顔にでこぼこをつけるカムフラージュ
 不安定な状態を如何に無くすかが生死の分れ目
 生き残るとは、詰めを徹底的に行うこと
 新隊員は何故損耗が多いのか
 出血を止めないと動けなくなる
 音を出して歩く隊員はすぐに発見され、撃たれる
「ハイプロファイル」と「ロープロファイル」
 斥候の動きを封じる歩哨
 「ハイプロファイル」と「ロープロファイル」
実戦に直結するスカウトの戦闘技術
 自然に溶け込む技術「ストーキング」
 追尾する技術「トラッキング」
 生き残る技術「サバイバル」
 格闘技術「マーシャルアーツ」
 カムフラージュのスペシャリスト
気配の消し方、気配の感じ方
本当に気配を感じ取れるのか
 その場所のベースラインを理解する
 気配を消す、感じ取れる
自然界では非常に目立つ人間の行動
人間界でのカムフラージュ・サバイバルインストラクターの行動
自己の限界を知ることの意味
 今のコンディションを知る
 集中力と我慢強さ
 怪我や事故が無くなる
スナイパー対処と偵察活動
 発見されなければ撃たれない
 間違っている視点を持っていると敵を発見できない
 実戦とのギャップが無い訓練
 任務に適合する編成と装備の必要性
 40連隊の見えない戦士たち
 40連隊を代表する見えない戦士
 トップレベルの見えない戦士に成長した男たち
スカウトチームの第一歩はチームの信頼醸成と飽くなき成長
 各小隊にスカウトを配置する
 師団長のほほえみ
戦いの準備はできた
 師団長から頂いた宝物
 連隊独自の戦法
あとがき