「中級用」では日本語の「解説」がほぼすべて英語で、日本語は訳注と英訳練習の部分にしか見当たらない。ページをめくれども英語ばかりである。これを読んで闘志をかき立てられる、という人が、本書の最適な読者なのかもしれない。「入門用」では5つに分けられていたセクションが本書では7つに増えており、「発音・イントネーション」の代わりに「語彙練習」、また「和文英訳」と「応用会話例」が新しく加えられている。これによって、より多くの単語や熟語を、その使われ方と共に学ぶことができるだろう。取り上げられている口語表現も、「Why? 」の代わりに使われる「How come?」や、やわらかな否定を示す「I don't know about~」など、より慣用的・実践的な表現が多くなっている。
映画や海外ドラマに見られるような、スピード感があってかっこいい会話の応酬が自分のものになる日も近いかも、と思わせる表現が解説のところどころに見られるのも魅力だ。(久保はるか)