キニシズムから
★★★☆☆
論考やシンポジウム、声明文などの載った書物です。ビラのコピー
なども少し附されています。面白かったのは池田雄一の論文でしょうか。
ペーター・スローターダイクを、とりあげキニシズムについて説明
しています。「抽象的で高尚な、公式の思想、道徳等を、ときには自らの
身体を使って、からかい、あざける不遜な態度のこと」と述べられています。
「思想というものが具体的な身体性、あるいはその思想をとなえる人物の生き方と、
一致していなくてはならないという倫理が想定されている」。
「シニシズムの時代においては、機会それ自身がスペクタクル化する」情況把握
としては是非はどうあれ非常に面白い論考だと思います。
年譜もついています。