本書は東京大学の理系を目指す受験生を対象としています。特に中学1年生から高校1年生までを対象としていますが、それ以上の方もぜひご参考にしてください。高校2年生までになにをどうやって勉強すればいいか、数Ⅲはどのように克服するか、東大の過去問はいつ頃手をつけるか、試験時間をどのように使うか、など様々な切り口から受験生をサポートしています。

6完、すなわち全問正解は非常に高い目標です。しかしその著しく難しい目標に反して、すべての受験生がここに到達する可能性を持っています。大学受験は生まれつきの才能などはほとんど関係せず、努力の仕方によって結果は決まります。

数学が不得意な方も6完できる可能性を持っています。数学に苦しんでいる方も諦めずに戦略を見直してください。必要なものは、退屈と怠慢と自己満足に打ち勝つ強靭な精神力だけです。数学は自分が今まで培ってきたノウハウややり方を木っ端みじんに粉砕して新しい戦略を立てない限り、永久に伸びない恐ろしい科目です。

本書は『一時的』ではなく『安定的』に高得点をとるための最適な戦略を、普段の勉強から本番の時間の使い方に至るまで考察しています。東大に合格するためにはたくさんの勉強時間ではなく、優れた戦略と適度な勉強時間が必要です。本書がその戦略の一部になることを望みます。