だめんずへの憧憬
★★★☆☆
内田春菊『こんな女じゃ勃たねえよ』同様、
どうもここまで駄目な男の駄目さをあからさまに描くのは
願望憎悪の裏返りにも見えてしまう。
駄目男の駄目行為を「駄目よ」って描く事によって、
駄目な事を出来ない(或いは抑えてる)自分を自己正当化したい、
褒めてあげたい、というような。
冨樫義博が幽遊白書に託した事に近い…というと、かえって
褒めちぎっているようですが(笑)。
しかしそのような主張は節度をもって、きちんと礼儀正しく
オブラートに包まれており、その温さがとても心地良いのです。
最後にびっくり!
★★★★☆
原作のマンガも読んでるし,監督の「この窓は君のもの」を見てるんで,
フランス映画みたいな作品になるだろうなーと思って見てたんです。
エリック・ロメールの作品みたいに淡々と話は進んでいくんだけど,
ラストがびっくり!この原作に「14番目の月」をかぶせた人はエライ!
最後のカラオケの字幕付きエンドロールは,今まで映画沢山見たけど,
おそらく世界初だと思う。このラストがなかったら,品のいい小作品で
おわっていただろうなあ。有楽のママが,マンガに激似で☆5つ。
ユタカはもうちょっと痩せてて,若い人に演じてもらいたかった〜。
二重あごはいただけません!西島さんは好きなんだけど・・・。
ユウコ役の星野さんはよかった。原作に近いんじゃないかな。
私は好きです。
★★★★☆
やっと見ることが出来ました。西島さんのダメ男っぷりが最高に素晴らしかったです!!
ユタカみたいな男の人ってなぜかモテるんですよね(笑)ユタカがゆうこに彼女の名前を聞かれて「みどり」って答える時の西島さんの表情が、
「みどりちゃんのことを本当にすきなんだなぁ」って思わせてくれます。
星野さんは前半のベッドシーンの時も必死に胸だけは隠していたのでヌードは出さないものだと思っていたら、後半に出てくるんですね。まさに体当たり演技でした。
断れない性格のゆうこをかわいらしく演じていると思います。
最後の歌うシーンは同じ女性としてなんか泣けました・・・「ゆうこがんばれーー!」って応援したくなりました。
こういう映画好きです。
映画も良かったけどコミックスも!
★★★★★
私は、映画が先で、原作を後から読みました。
それでも、映画同様、コミックスも、究極ラストシーンが
切なくて苦しくて、でも共感できて、元気づけられ、なんとなく爽やかで。
そんな不思議な感覚で、読み終えました。
だからラストがとてもお気に入りな作品です。
ラストだけでなく、
「ユタカの肌には磁石がついている」ってセリフは、
まさに本当に気持ちわかりますし、大好きです。
それだけに、辛いこともありますし、
そのセリフがあるだけに、
ラストの笑顔に女性の強さを感じ、
あのラストの笑顔のために、物語があるのだろうと思えるほどでした。
男は、女性ほど割り切りがよくないと思います。
ウジウジ引きずるのは、いつも男ではないでしょうか?
だからこそ、割り切った感じの二人のゆうこ(コミックス版と映画版)の笑顔は、
愛おしさすら感じます。
それに女性の笑顔には力強さを感じます。
しかし、映画版のスナック「有楽(YOU LARK)」のママ(佐々木すみ江)さんと
コミックスのスナック「花」のママとは激似だと思いませんか?
いかがでしょう?
切なすぎる
★★★★☆
どこかの若者の日常を切り取ったみたい。どこかにほんとにこんな2人いそうだな、って思うほどリアル。こんな恋、つらいけどわかるなぁ、って思いながら読んでた。自分もユタカみたいな人に出会ってしまったら、フザケンナって思いながらも、好きになってしまうのかも。そしてユウコみたいにつらい思いしながらも、ユタカからはなれきれないでいるのかも。「ユタカの肌には磁石がついている。だからあたしは手をふりほどく事できない。」このセリフが印象的だった。はっきりさせたいけど、はっきりさせたら終わるのが怖くて、あいまいなままずるずるいってる恋。重いって思われたくないから好きなのに相手に軽さを合わせてる恋。2番目でもいいから好きって気持ち。こんな恋してる人いっぱいいるじゃないかな。読んでる間中ずっと切なかった。でもこの切なさがいい感じ。作者は絶対こんな恋をした事があるんじゃないだろうか。できゃこんなにリアルには書けない、と思う。こんな恋してる人にぜひ読んで欲しい。そして共感して欲しいです。