良いとこ取りできるといいんだが。。。
★★★★☆
PISAの結果が教育関係者に与えた衝撃は大きい。
評価法の賛否からはじまって、日本での教育のありかたにいたるまで、大きく
揺るがされたことは確かだ。
フィンランドの戦略は、明快だ。
「底辺を減らす。」
PISAは、生徒の平均で評価するのであるから、この方法は有効だ。
センセーショナルな題名にあるように、競争をやめて、平等をベースに教育を見直す。
確かにすばらしいし、読んだ小生も衝撃を受けました。
惜しむらくは、ほとんどの内容が教育関係者から聴取されたものであること。
実際教育を受けている人たちからの情報がほとんどないので、他書にあたる必要がありそうです。
しょせん朝日
★☆☆☆☆
書名の段階で矛盾している本というのは初めて見ました(笑)
国同士なら「競争」してもOKなんですか?
正直、期待はずれ
★★☆☆☆
この著者についてはよくしらない。古本屋で500円だったので買った。
著者紹介では東大教育学研究科大学院卒とある。要するに大学で「教育」などというくだらないことをテーマに研究されたかたらしい。
実際、内容は「イギリス under サッチャー」での教育現状が詳細に研究されかかれている。この部分は常識的に知られていることが詳細に書かれていて資料的価値は高い。
フィンランドの楽園的状況についてはページ数も内容も少ない。ポイントはフィンランドはある時期初等教育まで全民営化を行ったことだ。これが何を意味するかは先の小泉政権がやったことを思い出して誰にでも分かる。
私は民営化には大賛成だが、果たして日本国民がそれに耐えられるか?小学校教員が、保育士と同程度の社会的地位に落ちることに耐えられるか?まあ20年は無理だと思う。アホほど体裁だけは整えたいものだ。
フィンランドのやり方を全部日本に入れることは不可能
★★★★★
この本を読み、フィンランドの教育事情を知ることが出来たが、日本で取り入れることは可能なことが少ないと考えた。学校は学ぶ場所!!!!というものが強いのでフィンランドではみんな集中する。塾がなくても、自分で調べる癖がついているので、好奇心旺盛になる。一方、わが国日本では、授業中寝ていて、塾で勉強というのがあるくらいである。学校はただ給食を食べるところだというヤロウもいるのである。これでは無駄だ。学校を利用し、塾も利用しなければ非効率である。親が稼いだ金が無駄になるだけ。日本に導入できるのは少ない。私立の学校ならばまだ意思のある人間がそろっているが、公立だと難しいと思う。
個人的にならば、このフィンランドの教育をまねすることが出来るので、個人個人、一人一人が変わることが重要だ。自分は荒れた公立中学校だったので、フィンランドの教育が実にうらやましい。私も受けてみたかった。
日本の教育改革へのヒント集
★★★★☆
学力世界一となって日本でも高い関心を集めるようになったフィンランドの教育事情を、教育における比較文化を専門とする研究者が取材・考察した書である。著者はフィンランド教育のすばらしさを手放しで評価する。本書を読むと、フィンランド教育がなぜ成功したかわかる。1つには教育の自由化、もう1つは教育費の充実がある。
教育の自由化は、とくに地方公共団体が学校とともに教科書採択や教師採用にコミットしている点がある。この点、すべてを文科省がコントロールする日本と対照的だ。フィンランドは日本ほど中央集権が進んでおらず、地方が地方を活性化する人材づくりに成功している。
また、少人数制を実現し、授業の組み立てがすべて教師にゆだねられている。教職は最難関の職業の1つで、優秀な人材が集まっているうえに、授業以外の拘束が少なく、きちんと準備をして授業にのぞめる。また、フィンランド人の価値観は日本ほど学歴主義に傾いておらず、得意な分野を伸ばすことにこそ、教育の本質を見ている。生徒は答え合わせをするのではなく、本で調べるのである。図書館利用率世界一の面目躍如だ(もちろん、これは冬の長いフィンランドの気候も大きいが)。これなら、教育がうまくいくのも当たり前だと感じた。
ひるがえって、私たちの日本。人口の高齢化で財政は高年齢層にますますシフトし、少子化の進む教育費はどんどん削られている。また、大卒の興味は金融や株式へと向かい、教育に行く人材の質は低下している。
これは、数少ない勤労における男女平等を実現していた教職が、今や珍しい存在でなくなり、優秀な女性が教職に行かなくなったことが大きい(詳しくは『こんなに使える経済学』(ちくま新書)をご参照ください)。
フィンランドの教育制度は確かにすばらしいが、それをそのまま実現することは不可能である。得意なことを伸ばすことを目指すフィンランド教育と苦手をなくすことを目指す日本教育。どちらが優れているとは言えない。それは、エリート教育・職業教育を分けるか、教育を平等なものと考えるかの違いでもあるからだ。ただ、やはり、時代はフィンランド教育のほうへ動いているように感じる。長期的には、フィンランドのように増税をし、教育や福祉に財政に割き、子を持つ多くの女性が(もちろん男性も)安心して働ける新たな市場を作ることが必要だろう。その中で、フィンランドのような教育を実現することは可能になっていくはずだ。
本書には日本の教育改善のためのヒントに溢れている。ただ、感情論ではなく、日本の財政にのっとり、かつ前向きな考え方が必要である。本書が描くのは、その具体策の手前の手前くらいである。ここから何を取り出すかは読者の知性に大きくゆだねられている。