孔子の言いたかったこと。
★★★★★
孔子は何を言いたかったのか。
正直なところ、短いエピソードがばらばらと並んでいる
『論語』を、頭から読んでみても、わからなかった。
というより、途中で投げてしまった。
この『「論語」に帰ろう』を読んで、
なんで、わからなかったか、がよくわかった。
どこに何があるかもわからない見知らぬ町を、
地図を持たずに散策しようとしていたからなのだ。
守屋氏の押す読み方のツボは、
「仁」「恕」「知」「勇」などの言葉。
『論語』のなかに、ばらばらと散っているこれらの言葉を、
少し整理するだけで、孔子の言いたいことが見えてくる、
というけれど、見えてきた(と思う)。
大間のマグロも、そのままでは食卓には出せないけど、
しかるべき人にさばいてもらえば、旨いマグロになる。
そんな、鮮やかな包丁さばきが味わえる。
そして、『こども論語塾』が流行っているけれど、
この本は『おとな論語塾』だ。