純粋娯楽創作理論 第三章・全体構成とリアクション
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本書は小説全般ではなく、読者を面白がらせる目的で書かれた『娯楽作品』の執筆方法に特化したマニュアル本の第三弾です。
長編小説の執筆を最終目的にしていますが、マンガ原作、アニメや映画などの映像作品・ゲームのシナリオなどにも応用が利くような構成になっています。
第三章となる本書では、ヨーロッパの古典喜劇であるファルス(笑劇)と同様の構造である「キャラクタードリブンであり、なおかつプロットドリブンでもある」作品の全体構成の方法、キャラクターのリアクションの分類、エンディングの書き方、各シーンを繋ぐ技術などを著述していきます。
本書で紹介するリアクションの類型は14種類。予想外の事態に対する複数のキャラクターがとりうるリアクションの組み合わせが10種類。エンディングの種類が4種類となります。これを読めば、どんな流れでキャラクターにどのようなリアクションをとらせ、それをどのように次のシーンに繋げたり、あるいは終わらせれば良いのかが理解できるようになります。
従って、本章をもって娯楽創作に必要な要素が、プロットドリブン型の創作物を除くとほぼ出そろうはずですので、一章から三章まで目を通している勘のいい人であれば、この段階で作品の解析は言うまでもなく、面白さを重視した長編作品の執筆ができる能力が身につくはずです。
【目次】
●第三章・序文
●第三章・第一項 第一章のおさらい(二回目)
●第三章・第二項 キリスト教布教と演劇
●第三章・第三項 コンメディア・デッラルテとキャラクター類型
●第三章・第四項 コンメディア・デッラルテとキャラクター類型その2・ザンニからハーレクインへ
●第三章・第五項 おさらいのおさらい、その1「ファルスから学ぶ娯楽創作物の全体構成の手法」(あるいは、異世界転生モノは単なる充足願望型作品なのか?)
●第三章・第六項 キャラクター情報を前振りとして利用する手法はキャラクター本位型か?
●第三章・第七項 おさらいのおさらい、その2「コンメディア・デッラルテから学ぶ、キャラクターに付与された面白さから逆算して、シチュエーションを作る方法」
●第三章・第八項 ミュージックホール、ミンストレル・ショー、そしてアメリカン・ボードヴィルへ
●第三章・第九項 チャップリンと感情移入
●第三章・第十項 アメリカンプロレスとヒール、そして感情移入
●第三章・第十一項 キャラクターのリアクション分類
●第三章・第十二項 エンディングの分類、あるいは「ハッピーエンドとバッドエンド(ハッピーエンディングとアンハッピーエンディング)」、または「悲劇と喜劇」という分類の嘘
●第三章・第十三項 作品の長編化に必要な、各シーンをつなぐためのテクニック
●第三章・第十四項 文章で面白さを重視した作品を描く場合の、スタンダードだと思われるパターンの組み合わせ(あるいは長編化を阻む「合理性の罠」を認識する)
●第三章・第十五項 リアクションのシーン分類(驚く人と驚かない人)
●第三章・第十六項 キャラクターのリアクション分類とリアクションのシーン分類を組み合わせる