純粋娯楽創作理論 第二章・キャラクター分類指標
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本書は小説全般ではなく、読者を面白がらせる目的で書かれた『娯楽作品』の執筆方法に特化したマニュアル本の第二弾です。
長編小説の執筆を最終目的にしていますが、マンガ原作、アニメや映画などの映像作品・ゲームのシナリオなどにも応用が利くような構成になっています。
第二章となる本書では、キャラクターの分類方法と、それぞれの類型を作品内でどのように配置するのかをチャート化して説明してあります。
本書で紹介するキャラクター類型はベースが7種類。バリエーションを含めると総計で22種類になり、それぞれに代表的な作品が提示してあります。これを読めば、どんなキャラクターをどんな作品で、どのように登場させれば良いのかが、なんとなく把握できるようになるはずです。応用力のある方であれば、本書で紹介していないキャラクター類型を、ご自身の手でチャート化することも可能になるでしょう。
ただし、前作と同様に本書はプロ作家の促成栽培を目的としておりません。従って「読めばすぐに小説が書けるマニュアル」を期待している方は、本書の購入を避けてください。また、文学など非娯楽系の小説執筆を目的にしている方にとっても、本書はお役に立ちません。
本書に意味があるのは、これから長期間にわたって、作家・編集・批評家など、何らかの形で娯楽創作に関わりたいという欲求のある方だと思われます。本書が娯楽を目指す皆様に、少しでもお役に立てれば幸いです。
【目次】
●第二章・序文
●第二章・第一項 おさらい
●第二章・第二項 面白さとキャラクターの関係
●第二章・第三項 娯楽創作を象徴するキャラクター像「馬鹿」
●第二章・第四項 馬鹿のバリエーションとキャラクター・ドリブン(キャラクター本位型創作物)、キャラクタービジネスへの展開
●第二章・第五項 馬鹿のバリエーションとゲーム(『指輪物語』の派生作品から、キャラクター・ドリブン型の娯楽創作に物語は必要かどうかを検証する)
●第二章・第六項 馬鹿のバリエーション・狂人1(スティーブン・キングの『シャイニング』を解析して、キャラクター・ドリブン型の娯楽創作物の原理をもう一度理解する)
●第二章・第七項 キャラクターと感情移入(面白さが理解できない、興味がない、あるいは嫌いな人達にとってのキャラクター造形)
●第二章・第八項 馬鹿のバリエーション・狂人2(『ロミオとジュリエット』から学ぶ、キャラクター本位型創作の盗作問題と、『曽根崎心中』から学ぶ感情移入型創作物の単純化・平坦化・短編化)
●第二章・第九項 馬鹿のバリエーション・狂人3(『ドン・キホーテ』のドストエフスキー流解釈から学ぶ、感情移入優先型の作家や評論家の的外れな物語論)
●第二章・第十項 馬鹿のバリエーション・天才(複雑化するキャラクター)
●第二章・第十一項 馬鹿のバリエーション・児童、知的障害者、自閉症、コミュニケーション障害(予測能力の低さによる、コミュニケーション不全によって起こる予想外の事態)
●第二章・第十二項 馬鹿のバリエーション・世間知らず(育成環境のもたらす一般常識の欠如)
●第二章・第十三項 馬鹿のバリエーション・旅行者、異邦人(『ガリバー旅行記』と自分探しの旅の違いを理解する)
●キャラクター類型分類一覧
●原則一覧
●補則一覧
●創作上のトラブル回避法一覧