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分析心理学

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: みすず書房
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1935年、当時60歳であったユング教授はロンドンのタヴィストック・クリニックで約200人の医師の前で5つの講義からなる一連の講演をおこなった。講義とそれに続く討論の報告はメアリー・バーカーとマーガレット・ゲームによってタイプ印刷の記録にまとめられた。本書はそれが書物の形として出版されたものである。
自己についての想起術 ★★★★★
 学生時代には河合隼雄氏の著作を読んでいたが、心理学、心理学者についてはあまり好きではなかった。他人を値踏みするように人間を類型化し、最終的な答えを自分の懐に隠したままで人の内面に滑り込もうとするような振る舞いが好きになれなかったからだ。とは言うもののフロイトやユングは少し読んでいて、今回、本書が安価で売られていたので手に入れてみた。

 読んでみると、ユング自身は上で述べた風な心理学者ではないことがわかってきた。話の持っていき方が控えめな上に、あいまい言い方だが、何か下のほうから生まれて発展していく人間把握の図式が、自分の生活実感とマッチしているのを感じる。感覚・思考・感情・情動という外的な心的諸機能、記憶・主観性・興奮・侵入という内的な心的諸機能がそれぞれの領野を持ちつつも流動的に反応していると想起することは、自分にとってはとても現実味を持っている。以下、普遍的無意識は比較宗教学や神話学の著作の内容を思い出して考えてみると、それらの領域の学者たちの問題意識と通じ合っていて興味深いし、コンプレックスの意義も参考になる。実際の心理療法の治療例も、著者が述べている内容をより理解させてくれ、ほかの心理療法家の質問も同じ働きをしている。

 何よりも、「無意識については、私たちは知ることができないのです」という言葉に示されるように、心理学者・心理療法家としての限界を常に意識した上での発言が、逆に説得力を生んでいると思う。そこには、自らの特権的な理論を上から振り下ろして他人を裁くのではなく、下のほうから人間存在を理解しようとする姿勢があって、読んでいると自分もそうありたいと思えてくる。

 ユングの他の著作を読んでみたくなる一冊。
心理分析についての深い洞察。 ★★★★★
この本は精神科の医師に対して行った講演を記録したものである。話し言葉であるので理解するのがたやすいという利点がある。基礎的なことを語っているように見えるが心理学についての深い洞察が存在してると思う。

得に夢分析をしている人でより深い洞察を得たいと思っている人にとっては価値の高い書物になるのでは無いかとおもう。神話などの豊かな素材を夢の分析と共に語っているのは、理解できる人にとっては非常に魅力であるではないだろうか。また能動的想像や絵画の分析においてはユングの分析の幅の広さを見せてくれている。
本当にレクチュア受けているみたい ★★★★☆
マーケティングの本を購入するときに併せて買いました。
心理学とは第一に意識に関する科学であり、第二に無意識の心に呼ばれるものによって生み出されるものに関する科学である、という解説から始まる彼が構築した心理学に触れることは、人生やビジネスにおいて勉強させられるところが多かったです。
講演はわかりやすい ★★★★★
ユングの著作は文章がわかりにくく同じことが何度も書いてあります。講演でのユングはとても生き生きと語っています。本書を25年ぶりに再読しましたが、はっとする発言が満載です。専門家が読むべき書と思います。
面白いです ★★★★★
分析心理学はユングが体系化した理論であり、彼の思考の基礎となっています。この本は、彼を理解する上で基礎となる非常にわかりやすい本であり、ユング心理学を理解するためには必読の本のひとつといえるでしょう。また、訳に対しても上手く訳されていると感じました。私事ですが、ドイツ語はあまり得意とはいえないので、訳者である小川氏に感謝したいと思います。