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POLLINATION (新装版) (ビーボーイノベルズ)

価格: ¥945
カテゴリ: 単行本
ブランド: リブレ出版
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ネタしかないかも。 ★★★★★
主人公、谷垣みたいな愛を食い散らかす自分大好き身勝手まんまんキャラ。大切な相手に出会っても気づけない無神経男の世界観を書かせたら、ピカイチな木原作品!
谷垣に一度我が世の春を見せ、その後、二度と手に入らない大切なものを失わせて、虚無の人生を負わせる。痛い作風が苦手な読者は、このあたりで引くんでしょうが。そこは木原先生。旨い。谷垣が潔よいくらい同情に値しない男なので、彼が酷な状況にあっても読み進めることが出来るのです。
谷垣はその性質ゆえに、松本という絶対的な愛を自分に向ける人物を死をもって失います。その時点で彼は、それがどれほど大切で二度と手に入らないものか理解できません。ワルキャラが愛する人を失い即更正なんて安直な幸福は木原作品にはない。ドキッパリ!人の性質って何かがあったからといって劇的に変わったりしないですもんね。実に人間らしい谷垣。そんな谷垣も感覚的には、松本を失った虚無を悟るようになっていきます。が、そこは所詮谷垣。少年性を持った松本の面影を匂わせる患者「未成年の自閉症の少年」を引き取るという一見道徳的な行動に出ますが、その少年に手をつける等、非常識な色々をやらかします。少年は、その病気ゆえに自分のことにしかベクトルが向かない、谷垣に近い性質の持ち主。谷垣は自分が彼に与えた情の見返りを受けられません。情を交せる関係にはなれないけど、少年は谷垣がいなければ生きられない。この辺りで谷垣の変化が見られます。自分がいなければ生きられない人間がいる。人が生きるにあたって、そういう存在は代えがたい幸福。少年との関わりのなかで谷垣が松本化していきます。二人のその後は必見です。
谷垣なんかにひっかかった松本のことを思うと、最後まで不憫で不憫で。私の心の傷は癒えません。でも、愛する人間に、死を持ってでも、これほど自分を刻み込めた松本は、それはそれで幸せかなと。もちろん報われる方が絶対良いに決まってるけど〜。そんなの木原作品じゃないしね。悶々とする素晴らしい作品です。
不朽の名作 ★★★★★
旧版を持っていたので新装版を買うのを躊躇っていましたが、旧版が大分疲れてきたことと、
書下ろしがあるということでこの度シリーズ3冊まとめて購入しました。
実は旧版を初めて手に取ったときは、前作FLOWERを読む前に先にこちらを読んだのですが、
これからこの本を読まれる方には是非とも前作FLOWERから本書POLLINATIONの順に読んで頂きたいです。
本作では愛や恋といった抽象的概念を理解できない少年、祐哉と出会うことで少しずつ変化していく主人公谷脇の様子が淡々と紡がれていきます。そしてその変化を引き起こす切っ掛けとなった前作の恋人である松本の物語、FLOWERを読んだ後と前とではこの物語の印象は全く異なったものになると思います。
松本が残したものが谷脇にとって如何に大切で大きなものであったか、本書を読んで感じてください。
リアル・・ ★★★★☆
決して読後「スッキリ」とはいえない・・
なんだかどっしり胸に残った感じです。
谷脇の視点より、祐也の視点の話のが読んでいて辛かったです。
彼が少しでも「抽象的な」感情を分かっていけるといいな、と思う。
谷脇は最低な人ですが、祐也と一緒のときの彼は少し好きです。
難しいテーマですが、さすが木原さん ★★★★★
『WEED』『FLOWER』ともに未読で、いきなりコレを読みました。
三部作のようですが、『POLLINATION』単独でも読めます。
(前作・前々作を読んだほうが背景が分かってより理解できるでしょうが)

まず驚いたのが佑哉の自閉症という設定。
自閉症者でBLって、まず考え付きません。
下手な書き方をしたら非難轟々でしょうし、なのに敢えて挑戦した木原さんってすごい。

結論から言うと、大変面白い作品でした。
面白いというか心に刻まれるというか。
谷脇サイドの『POLLINATION』、佑哉サイドの『NEED』。
自閉症の佑哉視点で書くというのがまたすごい。

木原さん、自閉症に関してかなり調べられたのではないでしょうか。
仕事がら自閉症の方(の親御さん)と接する機会がたまにありますが、佑哉の思考や行動など、違和感なく読めました。
純粋なだけでなく、生身の人間としての佑哉を読ませてくれました。
筆力に感服です。
考えさせられる名作 ★★★★★
前の2作もボーイズラブとして佳作。
でも、この作品は佳作を超えた非常に考えさせられる名作だと思います。

私たちが日常よく用いる愛や恋という言葉にどれほどの多様な心の動きが詰め込まれているか。逆にいえば、うれしい・安心する・気持ちがいい・苦しい・不安…こういった相反する感情をすべて含む「愛する」や「恋する」とはいったいどういうことなのか。

抽象的思考を持たない主人公祐哉はこういった問題に正面から立ち向かわざるを得ない立場にあります。そして、木原音瀬は当然祐哉の行動を追いかける読み手にもこの問題に立ち向かうことを強いるのです。

私にとっては読んでいてとても苦しい、でも何度も読まずにはいられない本です。