この電子書籍は，科学雑誌『Newton』2012年7月号に掲載された特集記事の電子版です。同じ号に掲載された他の記事は含まれません。記述は掲載時の情報にもとづいたものです。一部画像の削除等，紙版とは異なる場合があります。大きいサイズのカラーディスプレイをもつ端末でお楽しみください。この電子書籍は紙版と同一のレイアウトで固定されており，テキスト検索や辞書機能，ハイライトなどの機能は使用できません。端末を横向きにすると見開きページとして表示されます。

＜本特集記事の内容＞
今，科学の全分野の中で最も注目をあびている研究所，CERN（ヨーロッパ合同原子核研究機構）。CERNは全長27キロメートルもの巨大実験施設「LHC」を有しています。
このような巨大な実験施設を使い，物理学者たちはいったい何の研究をしているのでしょうか。それは，宇宙を形づくっている“最小の部品”，すなわち「素粒子」の研究です。
空気も水も大地も，そして人体さえも，ありとあらゆるものは素粒子でできています。身のまわりでおきる，あらゆる現象も，その根本は素粒子が引きおこしているといえます。
素粒子とは，どのようなものなのか？　素粒子は，どのようにしてこの世界をつくりあげているのか？　そのなぞの探求は，自然界そして宇宙に対する真の理解につながります。実際，素粒子物理学は，宇宙創成のなぞとも密接に関係しているのです。
本特集では，最も身近な素粒子である「電子」から，「ニュートリノ」や「クォーク」といった，さまざまな素粒子をやさしく紹介していきます。近年，新聞などで大きく取り上げられた「ヒッグス粒子」など，最先端の研究についても徹底的にわかりやすく解説します。特集の最後には，CERNの所長をはじめ，最前線で活躍する研究者たちのインタビューも収録しています。
それでは，素粒子の世界への旅をはじめましょう。
監修：村山 斉　総ページ数：70ページ