すごい仕事
★★★☆☆
納棺師 湯灌やさんの仕事を拝見したことがある私です、それは身内の葬儀です、で
一事素晴らしい仕事、いや感動をさせられました。この本の著者は長年の自分の苦労を話されているが、内容的には・・・ただこの湯灌という感動は広めてほしい。
著者の姿勢
★★★★☆
本のネタは面白い。
だが、著者はライターではないため、文章に面白みがない。
しかし、著者が遺体に対して持っている「姿勢」がとてもいい。
正義感を語るわけでもなく、最高の仕事というわけでもない。それでいて、しっかりとご遺体に正面から向き合っている。
その「清潔感のある姿勢」がこの本の支えになっていると思う。覗き見趣味の本というより、このような仕事に携わっている人たちがどのような姿勢をもっているかを学ぶ本としても有意義だと思う。
「おくりびと」三冊はどれも味わいが違う
★★★★★
まだ映画「おくりびと」を見ていないのに、
これで関連書籍3冊目。
もっくんが、インタビューなどで、
『納棺夫日記』とならび、
この本を読んで、その世界にはまることに
なったという。
最初に読んだ、さそうあきら『おくりびと』が、
映画のマンガ化だとしたら、
『納棺夫日記』は原作、
この『死体とご遺体』は、
映画にとっては原作を補う、
といった位置づけになるだろうか。
わけあって、
実入りのよい仕事をしなければならなくなった
著者が、たまたま選んだ仕事が「湯灌師」。
とにかく、亡くなった方を、
丁寧に弔うことが、そのまま、
生きている人間に対して丁寧に接することだ、
ということが、リアルに感じられてよかった。
軽めの筆致ながら、
残るものは、ずしんとしたものだ。
「職業に貴賎はない」を実感する一冊
★★★★★
亡くなった方の身体を、葬儀に際し洗い清め、死に化粧を施す…「湯灌」という仕事に対し抱くネガティブなイメージを、著者は常に読者よりも先に差し出してきます。「こう思うでしょう?確かにそうです、でも違った見方をするとこうなんですよ」という感じです。著者はあくまでビジネスとして湯灌に携わっていて、そこには悲壮感や使命感はなく、時には笑いさえ織り交ざります。亡くなった方の死出の旅への準備をしながら、ご遺族の心の準備のお手伝いをするお仕事。湯灌のイメージは、最後にはそんなふうに変わりました。
タメになるけど面白みはない「平凡社」らしい作品。そこがいいのだが…
★★★☆☆
著者の湯灌師としての経験、その経験から得られていく湯灌師としての矜持、死生観が“淡々”と綴られている。文章も内容も淡々としている。読み終わった私は、そのとおりだよなぁと“静かに”頷き、そして、もし自分や身内が死んだら、こういう人の世話になりたいなぁと思ったのだが、それ以外の感想が湧かなかった。
「湯灌師としての著者」が書いていることが正しくて、否定できるようなことがなかったからという理由のような気もするし、著者の思ったこと考えたことが、経験に基づくものであり重たいということは理解できるが、それが私の想像の範囲内だったからという理由のような気もする。
死者に対する敬意。「死」を扱う職業への偏見。考えさせられることはたくさんあってタメになる。一度は読んでみたほうがよい本だと思うが、面白みのある本ではない。
この題材であればもっと扇情的(裏話的)なエピソードの紹介を著者に要求する出版社は多いだろう。だが、そうしないのが平凡社の平凡社たる所以か…。「死」を真面目に考えたい人向きの本といえる。