死に向かう人への想像力
★★★★★
とある人から勧められてこの本を読みました。
読み進める中で、「何故、自分には身近な死が訪れていないか」を考えました。
昨年祖母が亡くなったのですが、小さい頃は身近だった祖母が亡くなったにも関わらず、仕事の都合で葬式にも出ず終い。
自分の身の回りが忙しくなるにつれて、だんだんと身近だった人は疎遠になり、
死んでしまおうが「いつか会える」くらいにしか思えなくなる。
疎遠な人の死と、目の前の仕事。両者の価値観をどうしても比べることができず、結果として大変後悔が残ることをしてしまいました。
死に向かう人への想像力。
この本を読んで、死を遠ざけてしまっていた自分の未熟さを痛感すると共に、存命中の祖父ともっと会いたいという気持ちが湧いてきました。
映画以上の深い感動
★★★★★
映画「おくりびと」を見たあと原作があると知り読みました。実際生業とされていた方だけに説得力もあり映画で納棺の作業自体のイメージは理解できていたので現実はいかに過酷であるかも痛感させられました。著者の宗教観もすがすがしさを感じました。悩みを抱えている全ての人にお勧めです。
その土地にある人の書
★★★★★
私は郷土文学のバリアントとして読みました。
答えは簡単、自分もその土地に生まれ、育ち、そして生きているから。
で、共感する部分が多い事に気付き、土地に結びつき生きる事の意味を問われた気がします。
あと、この本を読んでから背に抱く山々を見上げる事が多くなった気がします。
死と向き合う
★★★★★
映画『おくりびと』の原作とは言われていますが、作者の青木氏が、
映画のクレジットに原作者として拒否したというのが良く分かります。
映画では、納棺夫が周りに受け入れられていくことが主題にありましたが、それとは全く違い、人の死と向き合い続けるという体験を通して、
「死ぬとは何か」が語られています。
「死ぬ」ことを考える上では必読の書。
この本を読むには私はまだ未熟。
★★★☆☆
おくりびとの原点というから読んでみたが、
軽い気持ちで読むものじゃなかったなという印象。
第一章では映画に関わるエピソードが少し出てくるが
著者もあとがきで書かれているようにこの本は題名こそ「日記」だが、
中身の半分以上は「生と死」についての宗教思想。
正岡子規の「悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと
思つて居たのは間違ひで、悟りといふ事は如何なる場合にも
平気で生きて居る事であつた」という文章は興味深かったが
人によって捉え方も異なるだろうし、その人なりの宗教観もあるだろうから
万人にはおすすめできない作品かなと思う。