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熱力学で理解する化学反応のしくみ―変化に潜む根本原理を知ろう (ブルーバックス)

価格: ¥945
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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目から鱗70%と全く分からない部分10%の不思議な本 ★★★☆☆
 エントロピーは位置エントロピーと熱エントロピーがあり、確率モデルで計算できることを簡単な例で示しているのは目から鱗でした。「場合の数」に関する付録もこれだけわかりやすく簡単にまとめたものは見たことがありません。自由エネルギーで実際の反応を考える場合も、多くの例をあげ、数値を入れながら説明しているのでわかりやすい。電解質の水和反応の発熱、吸熱を定性的ですがエントロピーから説明した部分は面白いと思います。
 ただしp16「プラスとマイナスの電荷が引き合うばあい、重力と異なり間隔が大きくなるに従い位置エネルギーは減少する」は「重力と同様に位置エネルギーは増加する」の誤り、p101「真空中に気体が膨張するときは温度が下がる」は、「(断熱可逆膨張ではないので)位置エントロピーが増加し、熱エントロピーは変化しない。したがって正味のエントロピーは増加し温度は変わらない」の誤りだと思います。この様なところでつまずいて投げ出す(私も1回投げ出して2回目に読了しました)ことがないようにあえてレビューを書きました。
 なお参考文献として、ピメンテル「化学熱力学」が紹介されています。本書と関連が深く、わりにサラッと読めるよい本でした。これも併読することをお勧めします。
理論が先か? ★★★★☆
化学反応がどのように進行するか
エントロピーを基本に記述しています。
エネルギー的にこちらが安定だから
反応はこのように進むというような感じです。

説明は正しいのですが、ちょっと疑問も
あります。熱力学の理論がはじめにあった
というよりは化学反応の実験結果にもとづいて
理論が構築されたのではないでしょうか?

化学反応の進行に熱エネルギーの保存が
かかせないと理解したほうが良いと思いました。
熱力学というフィルタ−を通してみた化学反応。 ★★★★☆
レベルは高校発展程度でしょうか。
単元的にいうと「化学II」の化学平衡及び反応速度である。
ただ化学に於ける化学反応というのはその根幹たるものなので
この本で述べていること自体は化学そのものにかかわると思われる。

エントロピーだのエンタルピーだの自由エネルギーだの・・結局なんなの?
って思った方に最適です。この上なくそれらを分かりやすく解説されております。

化学に興味のある高校生は是非読んでみることをお勧めします。

ただ厳密にいうと本の中では微々たるものですが物理的知識が必要とする部分がありますので
物理の熱力学を少しかじっておく必要があります。
最高によくわかる化学熱力学の本 ★★★★★
 金属の腐食を解決するため、今まで数十冊の熱力学等の本をよんだが、これほどエントロピー、ギプス自由エネルギーを解説された本はない。この2つのキーワードが化学熱力学を理解する基本である。一押しでお勧めの熱力学の本です。
専門書に入る前の1冊 ★★★★☆
生物工学の専門家でありブルーバックスで多数の化学本を出している平山令明氏の,2008年新刊.万物の生々流転を支配する「化学反応」が,どのように,なぜ起こるのかについて,「エネルギー(特に化学結合エネルギー)」「エントロピー」「自由エネルギー」の3つを用いてそのルールを説く一冊.

本書の主役の一人であるエントロピーは,しばしば「でたらめ具合の指標」などと例えられて直感的な理解が非常に難しく受け入れにくい量として悪名高い.私自身も初学時は何の事かサッパリで,それを知った所でどこにありがたみがあるのか,実感できなかった.それを本書では,2種の物質が混合した時に全体の系が取り得る状態の数や,物質間の熱移動,固液気の状態変化に関する場合分けといった概念を用いて,極めて直感的な理解を導いてくれる.「で?結局エントロピーって何なんですか?」と問いたい(問うた事のある)人はご一読を.統計力学とはなんぞや?といぶかしんでいる人も,理解が明確になると思う.

書の前半でエントロピーや結合エネルギー(エンタルピー)の概念を理解し,後半ではいよいよ化学反応の可否を支配する自由エネルギー(ギブス自由エネルギー)の考え方へと話が進む.反応を進めるために外界から与えるエネルギー(エンタルピー)と,物質が取り得る状態の数としてのエントロピー,この両者の変化量のバランス(すなわち自由エネルギーの変化)が化学反応の進む向きとそのスピードを支配する,というクライマックスへ至る.この概念を用いて,塩が水に溶ける理由,水と油が混ざらない理由,塩で氷の融点が下がる理由といった具体的な説明もあり,実感によって理解を定着することができる.

エントロピー(自由エネルギー)の概念が分かってしまえば,化学反応が起こる理屈は著者の言う通り確かに“単純”なのだけれど,それを理解する過程は(少なくとも私には)言うほど単純にすんなり頭に入ってくるものではない.漫然と読んでいては“理解したつもり”になるだけ(ブルーバックスはみんなそうかもしれない)なので,ある程度は反復しながらじっくり読む根気と情熱のある人向け.細かい有機化学や生物化学の勉強に本格的に首を突っ込む前に(専門書に手を出す前に)読んでおくにもちょうど良い.