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Transformations

価格: ¥3,000
カテゴリ: CD
ブランド: ユニバーサルJ
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   村治佳織の、名門デッカ・レーベルとのインターナショナル契約後最初のアルバム。これまでのアルバムのなかでは、もっともしんみりとした、落ち着いた大人の情緒が感じられる。マドリッドやパリで学んで生活したり、イタリアなどのオーケストラと共演を重ねるなど、国際的にもキャリアを積み上げてきた実績は云々するまでもないが、それでも日本の下町っ子らしい自然体は失われていない。

   メインは、武満徹の一連のギター作品。武満徹の作品に通じているのは、ぽっかりとした空を見上げたときに心に生まれる、旅情にも似た不思議な切なさではないかと思う。弾き手によっても、聴き手によっても、そのときの精神状態によって、それは悲しげにも楽しげにも響く。村治の演奏は、“静けさへの意識”が高い。鳥たちが歌う風光明媚な自然に囲まれたロンドン郊外のスタジオでレコーディングされたことも関係しているかもしれない。「不良少年」も、「あまり不良っぽくない」という人もいるかもしれないが、団塊世代的なロマンや屈折・情念とは無縁な、曲そのものの美しさに耳を傾けるこうした演奏はむしろ好ましく響く。武満徹の作品はすでに、生前の武満徹やその交遊関係から離れて、より若い世代に確実に引き継がれていっているということの証明であろう。音楽が一部の閉鎖的な愛好者のための所有物にとどまることを最も嫌った武満にとっても、こうした演奏はうれしいはず。

   ギタリスティックな意味での聴き応えが最もあるのは、タルレガ「ヴェニスの謝肉祭による変奏曲」だ。ユーモラスな音色に村治の新境地を感じる。かつてジョン・ウィリアムスがとりあげていたギリシャの作曲家ミキス・テオドラキスの一連の作品は、アクの強さ、土臭さが決して嫌味にならず、広く受け入れられる美しい演奏。スティングの名曲を抒情的に編曲したドミニク・ミラーとのデュオ2曲は、かけ離れた2人の個性が触発しあう姿が興味深い。(林田直樹)

孤独な響き ★★★★☆
聴いていると人間は一人なんだなぁと感じるのです。
やっぱり誰かと一緒にいたいような気分になってしまう。
とても内省的な孤独な響きがこのアルバムからはあふれて来ます。
ジャケットの笑顔からは想像もつかない大人でアンニュイな世界を感じる一枚です。
最初は理解できなかった ★★★★☆
デビュー以来一貫してクラッシック路線を歩みロドリーゴという王道を歩んできたのにレーベル移籍直後の路線変更と採れる選曲の変化に当初違和感を覚えました。
イギリスのレーベルだから極東の美形のギタリストを色物扱いでEU圏売り込んでやろうかとでも考えたか?と下らぬ邪推をする程驚きました。

数年経った今、やっと少し理解できる気がしてきました。
音を聞き比べると他の特に「アランフェス協奏曲」あたりとは力の入り具合が違います。良い意味で肩の力が抜けている。
エレキでロックとまで行かなくとも「ギターって色々な声が出せるんだよ〜」って語りかけているような気がします。

コンサートを拝見した際にもその指の動きや躍動感に驚異を感じましたが、本作の21曲目、STINGのFRAGILE。とても大好きな曲なのですが、ギターだけで何の違和感もなくカヴァーにありがちなガッカリ感が無い。
歌なしと考えればこれは凄いこと。
発売後何年も掛かってやっと良さが分かってきた気がします。
自分色のギターの音色 ★★★★☆

南欧の香り強い彼女から
いきなり武満徹やスタンダードとは驚くが、
自分の色に染め上げてきているところは
さすがと云う他ない。

クラシックギターという狭い領域や
恵まれたルックスだけが見所ではないことを
存分に見せつけている。
買ってよかった。 ★★★★★
ギターの村治佳織、バイオリンの高嶋ちさ子、と個人的には勝手に好意をもっているのだが、このCDをジャケ買いした私にとって彼女について云々語る資格は無いかもしれない。

しかしながら、随分前にテレビで彼女を見た時から気になっていたので購入に至ったのだが、何故彼女が人を引き付ける魅力があるのか?このCDを聴き込んでその片鱗に触れた気がした。

当然この作品のみでは彼女の魅力は到底語ることが出来ないが、決して彼女のヴィジュアル的なことばかりではなく、この曲を聴く全ての人へのメッセージ、さらには彼女の内面的な優しさ、力強さ、素直さなどがクラシックギター特有の透明感のある旋律に乗って心に響く。

彼女のその調べに想像を重ねては、時には強く、時には優しくガットを弾き、その指の一本一本の繊細な動きまでもが見えてくる。

なんと心地の良いことだろう、さらに彼女に魅了されてしまった。クラシックギターが欲しくなる。

彼女をもっと知る為に過去の作品を聴きたくなったのは言うまでも無い。今までストーンズ好きの私が店でクラシックのコーナーに立つことはあまり無かったが、村治佳織という一人のアーティストに出会ったことでその機会が増えるのは喜ばしい限りである。

大衆向け ★★★★☆
デビュー当時より、勝手に見守ってきた。最初はずいぶんと優等生的ないわゆる「正しい」演奏する少女という感があった。技術的には問題ない。
ただ、ビジュアル的な美しさをレーベルが強調し過ぎたきらいがあり、彼女的には、音そのもので勝負したかったのではないかと思う。
今回は世界市場に打って出た形で、選曲は親しみやすく商業的には成功すると思う。それはそれでよいとして、今後は、歴史に残る一枚というのを意識した活動を期待したい。かつて山下和仁が展覧会の絵をギター編曲して世界を驚かせたが、20年以上経ってもその時の衝撃は心から消えることはない。