『FINE』以来、約2年ぶりとなる通算5枚目のオリジナル・フル・アルバム。シンプルなバンド・サウンドが新鮮な「奴のシャツ」でスタートする本作は、シビアに抑制されたメロディと洗練の極みを感じさせるアレンジワーク、背筋が冷たくなるほどの完成度を持つ演奏がひとつになった、恐ろしいほどに美しいポップ・ミュージックがたっぷりつまっている。いつになく奔放で、カラフルな音楽性をたたえたソングライティングも印象的。キリンジが持つ無尽蔵の音楽的ボキャブラリーがわかりやすく表現された作品だ。気持ちいいよ。(森 朋之)
世界に誇れる大傑作
★★★★★
このアルバムはすごすぎます。何度聴いてもやられる。『僕の心のありったけ』から『愛のcoda』へ流れていく時なんか、鳥肌モンです。車運転している時などに聴こうものなら、歌に聞き惚れてしまって危ないです。こんなスゴイアルバム、ほんとによく作ったな〜。今作の後も普通にまだまだ素晴らしい曲を作り続けている堀込兄弟がもはや普通ではないのかもしれない。プレッシャーさえ感じさせない堀込兄弟は、やはり日本に世界に誇る天才です!
研ぎ澄まされた
★★★★★
アレンジ、詞、曲、声が揃い踏みの本作
特に「愛のcoda」は凄すぎて何回聴いても震えます
そしてラスト「スイートソウル」にはただ涙
相変わらずいいなあ。キリンジにハズレなし。
★★★★★
相変わらずすごくいい。
深みがあって上質で何度聞いても飽きがこない。
キリンジは邦楽界の良心だよなあ。
キリンジがもっと売れるようになれば、邦楽も今よりもっとよい方向に変わっていけるだろうに。
ほぼ全曲素晴らしい名曲のあらし。これは買うべき。
個人的に♪うちの主人はアートを理解しない〜という歌詞が妙にお気に入り。
文句なし
★★★★★
ポップス職人の面目躍如といった感じでしょうか。
一曲目から高樹さんらしいブラックでシニカルな世界観が満開です。しかもかなりディストーションのかかったギター。キリンジ節は健在ながらもハードロックな気配が濃厚。今回はずっとこの路線で行くのかと思いきや、二曲目は泰行さんらしいお洒落なポップスで方向転換。待ちぼうけ食らってふられた男の未練がましいぼやきと、キャッチーな旋律の取り合わせ。悲惨な話なのに爽やかで笑ってしまいます。
その後も歌謡曲、オリエンタル調、ブルース、フォーク、ファンクっぽいカッティング、三拍子や七拍子のプログレもどきまで。まさに音楽の玉手箱です。これまでの作品よりアルバム全体の統一感は薄くなってますが、逆に堀込兄弟の音楽的引き出しと知識の豊富さに改めて驚かされます。
そして締めの「スウィートソウル」。ある意味雑多に腹一杯詰め込んで、仕上げに泣きの王道みたいな美しいバラード。曲順がよく考えられていてとても幸せな気分で終われます。特に私は数ある楽曲の中でも「スウィートソウル」が一番好きなので…
やっぱりキリンジは凄いアーティストだと思います。飽きずに何度でも聴けるアルバムだと思いますよ。
今夜すべての臥所で
★★★★★
僕のキリンジ、分けてもこの作品の聞き方は、まず布団を引いて寝る準備を整え、CDデッキの電源をONにして消灯。一曲目が始まる。目を天井に向ければ薄暗く、音を絞ったキリンジが流れてくる。曲の雰囲気が夜気を帯びて、一日の疲れも伴って澄んだ心にキリンジが流れ込んでくる。すると「無重力」の体が磁石に吸い寄せられるように、キリンジの世界に心地よく入っていく。「繁華街」あたりがかかる頃は、キリンジとともに一人の「詩人」になっている。そして気が付くと眠りに堕ちている。最高の「誘眠剤」です。朝、目覚ましに促されて覚醒する。CDの電源をON.入眠後の部分からかける。11曲目を聞き終わった頃、カーテンを開ける。朝の陽光と共に一日を生きる「脱力感」ある「やる気」が萌芽する。そんな訳でこの作品は、一日の終わりと始まりに心の「凝り」をほぐすのみならず、その精神の内奥ふかくに浸透して各人の固有の世界が自然に喚起させる、そんな珠玉の一枚です。「眠れぬ夜」のために。どうぞご試聴あれ。