【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:堂場瞬一/著 出版社名:中央公論新社 シリーズ名:中公文庫 と25-15 警視庁失踪課・高城賢吾 発行年月:2009年02月 関連キーワード:シヨクザイ チユウコウ ブンコ ト-25-15 ケイシチヨウ シツソウカ タカシロ ケンゴ しよくざい ちゆうこう ぶんこ と-25-15 けいしちよう しつそうか たかしろ けんご、 チユウオウ コウロンシヤ チユウオウコウロンシヤ 4622 ちゆうおう こうろんしや ちゆうおうこうろんしや 4622、 チユウオウ コウロンシヤ チユウオウコウロンシヤ 4622 ちゆうおう こうろんしや ちゆうおうこうろんしや 4622 行方不明者を捜す専門部署として、警視庁に設立された失踪人捜査課-実態は厄介者が寄せ集められたお荷物部署。ある事件により全てを失い酒浸りになった刑事・高城賢吾が配属される。着任早々、結婚を間近に控え、なぜか失踪した青年の事件が持ちこまれるが…。待望の新シリーズ
シリーズ1作目、これからの展開が気になります。
★★★★☆
対外的な面目維持のために設立された警視庁失踪人捜査課。
そこへ配属となった高城賢吾警部は、心に傷を負い酒びたりの暗い過去を引きずっている。
もっとも、失踪人捜査課自体が、わけあり警官の寄せ集め的な部署。
そんななか、結婚間近の婚約者の捜索依頼が舞い込む。
美人警官とコンビを組み、捜査にあたる高城だが…。
シリーズ1作目ということもあり、紹介的な内容だが、
無理のないストーリー展開で、そつなく読ませます。
これからの展開が気になります。
個性派ぞろいのエンターテイメント小説
★★★★☆
横山秀夫、今野敏をはじめとして、警察小説が今熱い。
面白い警察小説の条件として、トリック(筋書き)が巧妙であるとか、登場人物が
興味深いといったことがあげられるのではないだろうか。
この観点でいえば、この高城賢吾シリーズの場合には、味のある脇役たちの存在がこの
小説をうまく味付けしている。
心臓に病気をかかえる定年が近いベテラン刑事の法月、元プロ野球選手で子沢山の醍醐、
上昇志向まんまんでプライベートがまったく不明な阿比留室長など実に多彩な登場人物
たちがこの小説に彩りをあたえている。
酒浸りの生活から、かつて、警視庁捜査1課で「高城の勘」として有名だった高城賢吾
警部が徐々に刑事として再生していく様子がこの「蝕罪」の中で実にうまく描かれている。
鳴沢了がいなくなってから・・・
★★★★★
鳴沢了がいなくなって、どうなるのだろうか?かなりの刑事モノだっただけにもったいないと思っていたが…
新シリーズ高城賢吾はかなり設定に凝っていて、著者が熟練して上手くなってきた証拠である。高城賢吾の名前も鳴沢了と比べると、地味でよい。
内容もスムーズに積み上げていく流れは緻密さを増して興奮させてくれるに値する出来である。
娘が失踪した!それで奥さんとはわかれてしまった。というなぞなぞもどうなるのか?期待大である。次回作に大いに期待する!
「失われしもの」を回復する物語への予感
★★★★★
「失踪者を探す」ことを業務とする警視庁失踪課。政治的思惑によって「帳面消し」的に作られた失踪課は「使えない」警察官の吹き溜まりと化している。主人公からして登場当初からひどい二日酔いという体たらく。すでにして「失われている」かのような組織に、「終わってしまった」刑事が配属されてくる。
その失踪課に婚約者(息子)の突然の失踪に呆然とする女性二人が廻されて来る。結婚を間近に控えた温厚な会社員の突然の失踪。仕事のトラブルもなく、カネに困っていたわけでもないのになぜ?。失踪課の捜査が始まる。
失踪課とは、まさに「失われた人を見つけ出す」ことを使命とする組織である。
物語が進むうち、私たち読者は「失踪」とは残された者にとっては、「癒し」も「回復」もない、「確定した喪失」(=死)ですらない、極めて残酷な「宙ぶらり」状況であるということを突きつけられる。そしてその捜査を進める主人公・高城こそ、もっともそのような「残酷さ」に耐え続けてきた存在であることが明らかにされる。
本シリーズは、「失われしもの」を回復する物語となるのではないか、という予感とともに本書は閉じられる。続巻が楽しみである。
これはいける
★★★★★
書き下ろしとあって、今現在の堂場が楽しめる。
シリーズものでかつ警察ものなので、やはり鳴沢ものとの比較になる。
以下は、鳴沢ものと比較しての長短所である。
長所
・シリーズの出だしとしてはクオリティが高い。
今が堂場の旬かもしれないと感じさせる出来である。
・主人公を著者と同年齢に設定したせいか、行動や考え方に無理がない。
著者の思いがストレートに投影されている。
短所
・この本だけでは断じるのは早計であるが、恋愛小説の一面がない。
成沢ものを恋愛小説として読んでいた私にはさびしい限り。
・失踪課のメンバーの個性が極端すぎて、現実味に乏しい。
鳴沢が今をはじめとする魅力的な脇役に支えられていたのに対し、このシリーズでは脇役が あまり魅力的でない。
総合的に見て、
鳴沢ものが鳴沢の成長物語であり、話に無理が多かったのに対して、
このシリーズは高城の人間再生物語で、大いに共感できる点が多々ある。
40も半ばを過ぎようとしているなか、仕事に情熱を見出せない(かつての情熱を失ってしまった)で何かにおぼれ、何とかしようとあがく姿はまるで自分を見ているようだった。
おすすめする層は、
やはり著者と同年代のサラリーマンということのなるだろう。
そういう意味では、女性向けではないのかもしれない。
早くも4月には2冊目がでるようだが、どう展開するのか楽しみである。
ある意味キワモノの脇役をどう使うのか、堂場の腕の見せ所だろう。
期待大である。