短篇集 骨は珊瑚、眼は真珠 (impala e-books)
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ぼくは不安な気持ちを持ったまま、幸福にやっていくよ。――「眠る人々」より
沖縄の聖地久高島でかつては十二年に一度行われていた祭り、イザイホー。夢の中で、その祭りに巫女として参加している自分を見つける「眠る女」。
亡くなった夫の骨を砕き海に撒く妻。遠くからそっと見守る夫がやさしく語りかける「骨は珊瑚、眼は真珠」。
人類が死滅した地球にただ一人残された男がその死に向かって旅をする「北への旅」、絶滅寸前のシマフクロウが微かな命をつなぐ「最後の一羽」。
根源的な淋しさと淡い幸福感。静かに、美しく、詩的な言葉で綴られる9つの物語。
【目次】
眠る女
アステロイド観測隊
パーティー
最後の一羽
贈り物
鮎
北への旅
骨は珊瑚、眼は真珠
眠る人々
【著者】
池澤夏樹
1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。
1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』等。自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。
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