エデンを遠く離れて (impala e-books)
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ぼくたちはひたすら自然から離れることで、今見るような文明を築いてきた。
ジュラ紀の面影を残す鳥、宇宙都市の住み心地、恐竜の時代の石、境界線の不思議・・・鋭敏な知的好奇心が、身近な日常から森の中、世界の果て、銀河の向こうまで駆け巡る。池澤夏樹ならではの、理系的思考と文学的想像力の交叉点にある楽しいエッセー集。
【目次】
一億年前の鳥の赤い顔
荒野に向かうペットたち
星の数ほどたくさんの世界
亡くなった天文学者について
海を知らない連合艦隊
南極大陸に行くべきだろうか
バイカル・アザラシに会うまで
数字だけで一万ページの本
周囲を海に囲まれた土地
ナイルをずっと遡ったところ
窓の外は銀河と真空
僕は雨ふる国の王
ブナの森を出てからの歳月
石が降る谷で過ごした午後
板チョコほどのコンピューター
見ることが最もむずかしい風景
山の上で大論争
恐龍のギャロップ
電池を背負った小鳥
山に登りて告げよ、預言者よ
空と結ばれた自分
象の数についての誤解
三百年の寿命をのぞむ学者
我が肉体はミシンにあらず
夢の中の夢の中の夢
夜明けのミスと原子力発電所
所有できないものについての考察
感覚拡大
肉体の素材と精神の素材
生き返らなかったねこ
きみ、どっから来たの?
われら、ホモ・ハコブス
マーマレードの保存法
空から星が落ちてくる
進化しつくした道具
もしもクマさんに出会ったら
【著者】
池澤夏樹
1945年北海道帯広市に生まれる。小学校から後は東京育ち。以後多くの旅を重ね、3年をギリシャで、10年を沖縄で、5年をフランスで過ごして、今は札幌在住。1987年『スティル・ライフ』で芥川賞を受賞。その後の作品に『マシアス・ギリの失脚』『花を運ぶ妹』『静かな大地』『キップをなくして』『カデナ』『アトミック・ボックス』など。自然と人間の関係について明晰な思索を重ね、数々の作品を生む。2014年末より「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」全30巻の刊行を開始。 http://www.impala.jp